2020-01-01から1年間の記事一覧

断章193

「中国が6月以降、ヒマラヤの小国ブータン東部の領有権を新たに主張している。ブータンと、その後ろ盾のインドは激しく反発する。中国の動きには、国境地帯で軍同士が衝突するインドに対し、揺さぶりをかける狙いがあるとの見方が強い。 中国が領有権を主張…

断章192

共産党は、「自分たちに都合の良い部分にだけ光をあてる」ご都合主義である(中国共産党の南シナ海をめぐる言説に顕著である)。 原始共産制(原始共同体)についても、生産手段の所有関係だけに光をあて、結果、それを「平等な共同社会」「平和で、牧歌的な…

断章191

イエス・キリストの使徒の一人で、「ペテロの否認(今夜、鶏が鳴く前に、三度わたしのことを知らないと言うであろう)」で有名なペテロは、漁師あがりの純朴で気弱な男だったが、殉教した。 「ローマ帝国におけるキリスト教徒への迫害は日を追うごとに激しく…

断章190

今年は戦後75周年の節目ということで、過去の戦争に思いをはせる報道も多かった。 8月10日の日本経済新聞に社会学者の談話が載っていた。 「戦争を反省することで重んじられるようになったものに教養主義がある。もともとは大正期に勃興したが、戦争を軍部の…

断章189

「全体主義の立場から見ると、ソ連システムはムッソリーニやヒトラーさらにはフランコのシステムと比べてもはるかに堅固で、全体主義としては遙かに完成されていると思われる。反対勢力だったときのレーニン主義はクーデターの技法であったが、権力の座につ…

断章188

日本の「朝日新聞」の定期購読層は、「産経新聞」を手に取らないだろう。しかし、韓国社会の分断は、日本よりも大きそうである。なので、韓国・「ハンギョレ新聞」の読者は、韓国・「朝鮮日報」を便所の落し紙以下の扱いにしそうである。その韓国紙「朝鮮日…

断章187

「内閣府が17日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で1~3月期から7.8%、年率換算で27.8%減った。新型コロナウイルスの感染拡大で、リーマン・ショック後の09年1~3月期の年率17.8%減を超える戦後最…

断章186

「ファシズムでは、国家が自らの原理や価値観でもって個々人の意思や思想を律し、型にはめるための権威であるだけでなく、積極的に個々人の意思や思想を広く説き伏せていく強制力をもった機構となる。…ファシストはすべての個人及びあらゆる集団を絶対的な存…

断章185

日本のマスコミだけを見ていれば、あたかも、「日本は住みにくく生きづらい国」の代表のようである。ところが、諸々の世界ランキングにおいて、日本はさほど悪くは見られていない。例えば・・・ 「オーストラリア・シドニーに本部がある国際関係シンクタンク…

断章184

「全体主義に必要な6要素とは、1.社会をおおいつくすイデオロギー 2.独裁者が君臨するピラミッド構造の唯一の党 3.秘密警察による恐怖 4.メディアの独占 5.暴力の独占 6.中央計画経済」(C・J・フリードリッヒ、Z・ブレジンスキー)だという。中国(共産党)…

断章183

「広島の悲劇から75年、そしてベイルート大爆発(火元は硝酸アンモニウムの貯蔵倉庫だった)のきのこ雲に青ざめる」という本日の記事。 では、「北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に反して核や弾道ミサイルの開発を続け、弾道ミサイルに搭載可能な小型化した…

断章182

「俗語としての出羽守(でわのかみ)は、他者の例を引き合いに出して物事を語る人のことである。ではの神という表現も存在する。特に、海外と比較して日本を揶揄(やゆ)する人を『海外出羽守』と呼ぶ。 出羽守とは本来、出羽国の国司を表す役職であるが、国…

断章181

金儲け、大いに結構。立身出世、上等だ。必ずいつか、たとえ少しでも、「世のため、人のために」働こうという志を忘れぬ限り。 「世のため、人のために」を忘れた金儲けは、守銭奴であり、「世のため、人のために」を忘れた立身出世は、餓鬼である。人として…

断章180

「1939年11月30日、ソ連はフィンランド攻撃を開始した。その数日前にフィンランドがソ連の国境沿いの村を砲撃し、ソ連軍兵士が死亡した、というのがソ連が主張する開戦理由だった(ずっと後年、フルシチョフ首相は、この砲撃はソ連軍によるものだと認め、戦争…

断章179

人間社会には4サイクルがあり、その4つとは、「1.国難は英雄を生む 2.英雄は平和をもたらす 3.平和は弱いリーダーを生む 4.弱いリーダーは国難をもたらす」(滝澤 伯文)だそうである。どのサイクルであれ、わたしたちに必要なものは、「常在戦場」の危機意…

断章178

安宅 和人の『シン・ニホン』は、出版社によれば、ファクトベースの現状分析と新たなる時代の展望を伝える本であるという。 どこかデジャヴのような気持がした。というのは、本ブログ51でもふれた2017年の『不安な個人、立ちすくむ国家』を思い出したからで…

断章177

「エマニュエル・トッドは、フランスの歴史人口学者・家族人類学者である。人口統計による定量化と家族構造に基づく斬新な分析で知られる。フランス国立人口学研究所に所属していたが、2017年5月17日付けで定年退職した。2002年の『帝国以後』は世界的なベス…

断章176

日本経済新聞社が刊行した、『経済史から考える』岡崎 哲二・著(2018年5月2刷)を読んだ。というのは、宣伝に、「戦前戦後を通じての日本経済の成長の源泉は1980年代には枯渇していた。それが今日の長期停滞の背景だ、と喝破。成長率を再び高めるには、イノ…

断章175

「朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の突然の死は、韓国人に大きな衝撃をもたらした。特に、元秘書の女性が朴からの長年にわたるセクハラ被害を告訴した翌日に自殺したとみられていることに、支持者は動揺している。朴は改革志向であり、女性の権利を擁…

断章174

「1917年のロシア革命後、世界各地のマルクス主義者はおおむね、『社会主義の祖国(ソ連)』の、『マルクス・レーニン主義』を名乗る『スターリン主義』に帰依した。帰依者にとってソ連に君臨する最高指導者・スターリンこそ、最高のマルクス主義者であり、…

断章173

「アレクサンドル・ソルジェニーツィンの小説を読んだ人なら誰もが知っているとおり、共産主義の平等主義の理想は、日常生活のあらゆる側面を支配しようと試みる残酷な専制政治を生み出した」(『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ) 東京大学大学院経…

断章172

わたしたちと彼らを分けたもの。それは“抗体”の有無だった。 わたしたちとは、ネトウヨ(同調者)であり、彼らとは日本共産党員(シンパ)である。 わたしたちにも、彼らにも、まじめで努力家で隣人に親切な親がいた。 しかし、わたしたちの側は、生活に追わ…

断章171

「強い者、賢い者が生き残るのではない。変化できる者が生き残るのだ」(ダーウィン)。 コロナ後は、これまで以上に“国家”が前に出ざるをえない。国連やWHOといった国際機関や他国の協力・援助を期待し頼りにすることはできない。わずかなシリア難民援助す…

断章170

およそ60年前、日本共産党の不破 哲三は、共産党の機関誌『前衛』1959年6月号に、こう書いた。 「『世界革命の勝利以前に、少なくとも西ヨーロッパの革命が勝利する以前に、経済的に遅れたロシアで完全な社会主義社会を建設することは不可能だ』とする理論は…

断章169

2日前、チェシャ猫が小さな声でわたしに言いました。「香港を見てごらん」。 そこでは、不機嫌そうに眉間にしわをよせた「紅の女王」が、「すべてを検閲し、逆らう奴らは収容所に入れておしまい!」と怒鳴っておりました。 「中国政府が国家安全維持法を導入…

断章168

「熊本県南部を襲った豪雨で、熊本県は7月5日、3市町で計19人が死亡したと発表した。八代市はこれとは別に3人の死亡を公表し、死者は計22人となった。熊本県内では18人が心肺停止状態で、11人が行方不明となっている。警察や消防、自衛隊は行方不明者の捜索…

断章167

「新型コロナウイルスの影響で多くの企業が業績不振に陥るなか、米巨大IT(情報技術)企業が肥大化を続けている。米マイクロソフトの2020年1~3月期決算は売上高、純利益ともに大幅な増収増益となった。米グーグルの持ち株会社、米アルファベットも2ケタの増…

断章166

生存のための、より良い暮らしのための不断の努力は、ホモ・サピエンスの力能を次第に発達させた。例えば、「サピエンスの狩猟採集民の放浪集団は、前より寒い地方に移り住んだ時、雪の上を歩くための履物や、幾重にも重ね、針を使ってきつく縫い合わせた毛…

断章165

「伝説や神話、神々、宗教は、認知革命に伴って初めて現れた。それまでも、『気をつけろ! ライオンだ!』と言える動物や人類種は数多くいた。だがホモ・サピエンスは認知革命のおかげで、『ライオンはわが部族の守護霊だ』と言う能力を獲得した。虚構、すな…

断章164

「私たちの近縁であるチンパンジーはたいてい、数十頭で小さな群れを成して暮らしている。彼らは親密な関係を結び、いっしょに狩りをし、力を合わせてヒヒやチーターや敵対するチンパンジーたちと戦う。彼らの社会構造は階層的になる傾向がある。最も有力な…