2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

断章315

「近ごろでは、ヒトと類人猿の近縁関係はしだいに受け容れられてきている。たしかに、人間が自らを特異な存在とする主張が出尽くすことはけっしてないだろうが、そうした独自性の主張で10年以上もつものはめったにない。ここ数千年の技術の進歩に幻惑される…

断章314

「家族の起源」「社会の起源」「攻撃性と葛藤解決」「文化の起源」などは、まずサルに聞けである。 「ヒトに最も近い類人猿には、シンボルを理解し操作する能力があり、ヒトと同じ水準でないにしても類似の思考能力がある。(中略) 言語は、情報を共有すべ…

断章313

さる14日、「丹波の山ザル」が死んだ。 「世界的な霊長類学者で、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長、京都大名誉教授の河合雅雄氏が14日午前、老衰のため丹波篠山市の自宅で死去した。97歳。丹波篠山市出身。故・今西錦司氏の門下で生態学と人類学を専攻し、…

断章312

孫 正義は、ばくち打ちになった。本人自ら、そう認めている。 ソフトバンクグループ(SBG)は、アメリカのアップルに次ぐ世界第2位の巨額利益を得た。だが目下のところ、マーケットの答えは、ソフトバンクグループの株価“急落”である。 「ソフトバンクグルー…

断章311

二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)。 欲を出して同時に二つのことをうまくやろうとすると、結局はどちらも失敗することのたとえ。「中国の故事か何かに由来していそうだが、実は古代ギリシア起源で欧州に広く分布することわざと…

断章310

「もし自由社会が、貧しい多数の人々を助けることができなければ、富める少数の人々も守ることができないだろう」(ジョン・F・ケネディ)。 「コロナ緊急事態宣言が延長され対象地域も拡大されることで、新たに約1兆円の経済損失が生じるという試算が明らか…

断章309

戦前の日本は、欧米からの圧力に対抗し、民族・国家を守り、前進し、生き延びるために欧米に追いつくことに必死だった。アジアの大国になったが、代償は軍国主義だった。明治から大正、昭和へと続いた成功に酔い、夜郎自大になった日本のエスタブリッシュメ…

断章308

「日本の国家的危機と危機対応の姿は、戦後の『国の形』が国家的危機に取り組むには極めて“不具合”にできており、また、私たちの社会があまりにも無防備であるという厳然たる事実を示している」。 2013年3月に新潮社から出版された『日本最悪のシナリオ 9つ…

断章307

事の真相が知りたい。これはデマに踊らされたデタラメなのか? 4月29日付けの韓国紙・中央日報によれば、「韓国のムン・ジェイン大統領を批判するビラを散布した30代男性が侮辱罪で検察に送検されたことが伝えられると、野党が文大統領の批判に出た。刑法上…

断章306

「歴史は繰り返さない。歴史は韻を踏むのだ」という。しかし、「人類は歴史の教訓を決して学ばない」(E・トッド)らしい。なので、歴史は韻を踏むだけでなく、繰り返しもするのである。太古の昔から。太古とは? 「人間が引き起こす身の毛もよだつ大量殺戮…