2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
資本主義(資本制生産様式)は、現代先進国の庶民にかつてない自由と豊かさをもたらした ―― 凡愚なわたしでさえ、幼年期の「ぽっとんトイレ」「五右衛門風呂」の間借り暮らしから、「自動水洗トイレ」「追い焚き機能付きガス給湯風呂」の戸建て暮らしになっ…
むかし昔の話である。 「命もいらず、名もいらず、もとより官位も金もいらぬ。プロレタリアート自己解放のために、プロレタリアート解放の『前衛党』建設のために〈献身〉しよう」と決意した多くの青年労働者が、「パルタイ」(=日本共産党)、あるいは「反…
“ネガティヴ・キャンペーン”の域を出ない、単なる現状批判だけが得意な日本の大学知識人(とくに「左翼」知識人)たち。彼らが威張れるのは、日本国内だけである。世界標準から見ると、本物の知識人は日本にはほとんどいない。 わたしが、「日本の知識階級く…
「『資本論』という本の何がすごいかというと、19世紀後半に書かれた本ですが、社会の仕組みの全体像、社会の全体がこうなっているという本なんですよ。いや、『資本論』は、世界そのものを読み解く作業だと言ってもよいほどの包括性をもっている。これを読…
あまたの聡明で学識深い多くのインテリたち(あのマルクスも!)が、あえて語ろうとしない本質的な問題がある。それは、「人間もまた動物である」ということである。 「もし哲学者が人間を動物として考察することを最も恥ずべきことと考えないとしたら、彼に…
「物理学・化学の世界であれ、地学・生物学の世界であれ、また精神と行動の世界であれ、世界についての真実を認識し直視するときにのみ、われわれは、世界における自らの真の地位を知ることができよう」(ジュリアン・ハクスリー)。 「科学的社会主義」(用…
マルクス主義者(コミュニスト)、そして、彼らに同伴する「知識人」たち。 彼らのおもな仕事は、日本や“資本主義”の否定的なあれやこれやに対する民衆の“トラウマ”や“反感”や“道徳的憤激”をあおり立てて“ルサンチマン”に育てあげ、マルクス主義の「コミュニ…
人の一生は、宇宙的な次元から見れば、ケシ粒よりも小さく、まばたきよりも短い。けれども、凡愚なわたしたちにとっての一生は、たとえるなら、長い坂道を資産家たちの子弟子女が自動車であっという間に上がっていき、秀賢たちが電動アシストつき自転車でス…
「インテリとは、自負すればするほど一度染められた考えに縛られる性向を持つ」(塩野 七生)。 日本共産党・不破 哲三たちはどうだろうか? 不破が講演した「民主青年同盟、秋の大学習集会」は、1974年10月に東京・武道館で開催された ―― 同じ1974年2月、「…
前稿、断章517の鈴木 元は、日本共産党京都府委員会の専従・役員を勤め、党歴60年であるという。日本共産党員は、「真面目」であると、自他ともに認めることが多いそうである。けれども、彼ら日本共産党員は、自分の思索の手綱をまるまる党中央にゆだね、そ…
ここ最近、日本共産党に関する本が何冊か出版されている。ただし、日本共産党創立100周年を寿(ことほ)ぐ本ではない。 たとえば、『志位 和夫委員長への手紙』では、日本共産党京都府委員会の専従・役員を経て、その後も地域の共産党後援会の会長を務める党…
「よく準備した者だけが生き残る」(『機長の判断力』、2009)。 「第一次大戦後に独立したフィンランドにとって、軍縮が図られ、国際連盟の保護が期待できた1920年代は平和であった。しかし、1930年代になるや、フィンランドの東西にはスターリンのソ連とヒ…