2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

断章481

「生産の持続的な革新、社会状態の絶え間ない動揺、永続的な不確実性と運動が、ブルジョワの時代を他のすべての時代から区別する」(マルクス)。 ―― マルクスは、この資本制社会(資本制生産様式)の“解剖学”における「知の巨人」である。しかし、喩(たと…

断章480

「資本主義の歴史をしっかりと見、さらに、資本主義的でなかったか、あるいはほとんどそうでなかった過去何百年もの間の生活について何ほどか知る者であれば、世界の大部分(すべてではないとしても)で、とくに富裕な上層には属さない多くの人々のもとで実現…

断章479

一面的なものの見方、あるいは党派性、さらには曖昧(あいまい)な現実認識をよりどころに、「資本主義からの撤退」とか「資本主義の終焉」、あるいは「脱成長」を語るインテリがいる。これは、「競争よりも平等な和諧社会の建設」をうたう中国共産党(習 近…

断章478

「日本人が心にとめておかなければならないのは、第二次世界大戦後に日本が手に入れた繁栄は、アメリカの核の傘の提供と軍事的保護によってもたらされたということである。日米安全保障条約をベースとしたアメリカによる軍事的庇護のもと、日本はその資金の…

断章477

まもなくウクライナにも冬が来る。 「人を守ってこそ、自分も守れる。己のことばかり考えるやつは、己をも滅ぼすやつだ!」(島田 勘兵衛・映画「七人の侍」)。 そうだ。わたしは、厳冬期が来る前に、日本からウクライナへの軍事装備品の支援を重ねて訴えた…

断章476

愚か者や詐欺師たちが、「資本主義からの撤退」「資本主義の終焉」を盛んに言いふらしている。しかし、資本主義は、「王侯貴族だけでなく、一般大衆が自分たちの夢をかなえる」うえで最適の経済システムである。だからこそ、ひとびとを魅了し、世界を席巻し…

断章475

世界(と日本)は、1930年代型複合危機に向かって直進している ―― ナチス・ドイツによるズデーテン併合からポーランド侵攻への道のりと、ロシアによるクリミア併合からウクライナ侵攻への経過を見比べて見よ! かかる危機の時代にはびこるものは、デマゴーグ…

断章474

「繁栄こそが平和を促し、貿易によって国際社会に平和が訪れるはずだ、と安堵(あんど)する傾向がある。しかし繁栄を各国がともに謳歌するなかで、第一次世界大戦は勃発したのだ。ドイツの成功に対し、他のヨーロッパ諸国は懸念を抱いた。そしてドイツは自…

断章473

世界の主だった国々の経済は、完全に資本のシステムになった。だから、熾烈な〈競争〉から逃れるつもりで田舎に個人的に移住したりしても、国家と企業は〈競争〉から逃れることができず、個人は否応なく国家の命運に縛られているのだから、(本当の意味では…

断章472

資本制社会以前の社会。たとえば、「ローマの奴隷たちは自分たちの労働のあり方について不満を抱いていた。一方、教養あるローマ人は、鎖につながれて厳しい監視下に置かれた奴隷が一日中働くことを、当たり前だと考えた。奴隷たちが私生活をほとんど持てな…

断章471

サンバホイッスルの音で心浮き立つカーニバル。「サンバのリズムが 一千一秒 ときめきを ムダにしないでって そう告げるの 踊り 踊らされて カーニバル」(中森 明菜♪)。そんなカーニバルも終わる日が来る。経済の好況・高度成長そしてバブルも、いつか終わ…

断章470

「友人に聞いた話だが、米国の知人が持ち家を売りに出しているという。450平米の中古住宅でプール付き、リフォーム済みのきれいな家を1年前に120万ドルで売りに出していたが、それをいま何と34万ドルに値下げしているとのこと。ところが、それでも買い手が現…