2021-01-01から1年間の記事一覧

断章384

ロシア革命後、左翼思想の玉座を占めたのはマルクス・レーニン主義だった。なにしろ、ロシア革命を“光背”とする巧妙かつ組織的なプロパンガンダをした。 なので、アナキズム(Wikipediaによる注:権力に基づくヒエラルキーに反対する政治哲学と運動のこと。…

断章383

「全体主義」とは、「個人の利益よりも全体の利益が優先し、全体に尽すことによってのみ個人の利益が増進するという前提に基づいた政治体制で、一つのグループが絶対的な政治権力を全体、あるいは人民の名において独占するものをいう。歴史的にはナチスドイ…

断章382

50年ほど昔、日本の主流派マルクス主義者は、「変革の理論であるマルクス主義は、ロシア革命というルツボのなかで、支配階級としてのプロレタリアートの理論に鍛えあげられた。しかし、それはまだ一国社会主義の段階の理論にすぎなかった。第二次大戦中から…

断章381

興味深い記事がある。 12月16日付のロイター通信によれば、 「空売り ―― Wikipediaによる注:投資対象である現物を所有せずに、対象物を売る契約を結ぶ行為のこと。商品先物取引や外国為替証拠金取引でも用いられる用語だが、差金決済を前提としたこれらの市…

断章380

中華人民共和国とは、クマのプーさん(習 近平)が君臨する紅い上着(紅色全体主義=中国共産党)を身につけた肥満体(混合経済体制)である。 ちなみに、2014年、ポーランドの遊園地では、「クマのプーさん」は、彼が赤い上着しか身につけておらず、下半身…

断章379

「朝鮮戦争の停戦と相前後して、日本共産党では党内権力闘争がはじまり、徳田 球一が率いる所感派と宮本 顕治が率いる国際派の争いとなり、最終的に宮本一派が勝利して、それまでのテロ路線にフタをして、『愛される共産党』を目指すという方針に180度転換し…

断章378

「大所高所から日本の現実を鋭く批判している」と主観的に思い込んでいる「左翼」知識人たちは、実際には教壇・論壇の一段高い所から(キツイ・キタナイ・キケンな労働現場とはかけ離れた安全圏から)、現実を叱責(しっせき)しているだけの“社会的余計者”…

断章377

「中国の地方議会にあたる人民代表大会の代表を選ぶ選挙に、人権擁護などの活動に関わってきた北京市民14人が、当局の支持を受けない独立系候補として立候補を表明した。 14人は『庶民の声を当局に届ける手段がない』と訴えているが、立候補表明の直後から警…

断章376

中国共産党の紅色全体主義は、日毎夜毎にあらわになってきている。 たとえば、「習 近平指導部は社会や思想への統制を強めている。ネット企業などの経営者批判に加えて、若者の考え方に影響力を持つ芸能分野などでへの介入を増やしており、共産党や政府が示…

断章375

庶民にとっては厳しい冬であるが、「左翼」インテリにとっては“我が世の春”である。 というのは、昨今の日本では、「前衛党」の権威が地に落ち、マルクスやマルクス主義の言葉(用語)を安直に利用しても、「前衛党」から「プチブル知識人が生半可(なまはん…

断章374

自称「知識人」リベラルたちは、現実(日本)に対して、「ただ拒否的な態度に終始する」(大塚 久雄)だけ、あるいは観念的な“理想”を対置するだけで自己満足する、「論語読みの論語知らず」(書物に書いてあることを知識として理解するだけで、それを生かし…

断章373

専門家は、よく誤る。2018年に、呉 智英は、こんな例を挙げている。 「1977年1月の朝日新聞経済欄の、今も続く『経済気象台』というコラムに興味深い記事を見つけた。コラムはこう始まる。『いま世の中が不況であるのは日本に人間が多すぎるからである』。そ…

断章372

大事なことを覚えるには、繰り返すこと。 20世紀の共産主義(マルクス主義)において、「われわれが見出したのは、第1に『否定主義』。実現されるべき肯定的なものの明確なビジョンよりも『とりあえず打倒』という情念。第2に『全体主義』。社会の理想の実現…

断章371

思想家という看板を掲げながら生温いことだけを書きつらねている昨今の日本「知識人」を見ると、「危険ではない思想など、思想の名に値しない。危険なまでに純粋、危険なまでに真剣、危険なまでに心を打つ、これぞ思想家というものです」(オスカー・ワイル…

断章370

「前衆院議員の辻本清美氏が12日、ネット番組『ポリタスTV』に生出演。衆院選で落選した理由などについて分析した。立憲民主党の副代表だった辻元氏は、(中略)落選の理由について問われ、『維新が大阪で非常に強くなってきた。“風”ということだけではなく…

断章369

ロシア革命や中国革命、カンプチアや「北朝鮮」などの“社会主義革命・運動”の惨憺(さんたん)たる現実・事実・真実は、主流である共産党などの修正派マルクス主義者たちだけでなく、「マルクスに帰れ!」と叫ぶ復古派マルクス主義者たちにも、マルクスの理…

断章368

日本の「左翼」学者や自称「知識人」リベラルの多くは、偽善者(パリサイ人)である。 彼らはマルクスが書いたものを表面的な字面(じづら)で読み、マルクスの言葉をメシの種(生活手段)にし、学識や知性を笠に着て上目線で説教する。「にんげんは、こうし…

断章367

「1958年に、『15年以内にイギリスを追い越す』と宣言した毛 沢東・中国共産党が発動した大躍進政策は、人肉食すら発生した人類史上まれに見る大飢饉と、産業・インフラ・環境の大破壊をもたらした。香港大学人文学教授が未公開資料と体験者の証言から、『大…

断章366

「世界銀行によると、世界の人口は76億7353万人(2019年)です。2006年時は約65億9300万人だったので、毎年約8300万人ずつ増えている計算になります。 ドイツの人口が8313万人ですので、『毎年ドイツが誕生している』といっても過言ではありません。 現在、…

断章365

マルクスの理論(思想)「体系」は、戦艦ヤマトのように無敵に見えたし、旧・ソ連の崩壊までは、実際にある程度はそうであった。 だが今、〈救国救民〉を志す人、「わたしたちの国を守り前進させるのは、わたしたちの聖なる義務であり、名誉だ!」という〈義…

断章364

かつての原始共産制社会では、人間は平和に協同して働き、しかも自然と調和して共に幸せに暮らしていた。しかし、私有財産制の発生にともなって「持てる者」と「持たざる者」に分裂し、「資本主義」の成立は、「文明化作用」を伴いつつも、やがて「窮乏化法…

断章363

マルクスの理論(思想)は、「体系」の名にふさわしく、A~Zの全体で構成された「理論体系」である。ところが、昨今、斉藤某や白井某といった「左翼」インテリが、A~Zのうちの一部分(たとえばECOとかAHO)をご都合主義的に抜き出して強調した“著作”を売っ…

断章362

「1949年10月1日、秋晴れの天安門広場には新国旗が打ち振られ、民衆の歓声と拍手で沸き立った。中華人民共和国、中央人民政府が誕生したのである。この新しい国家は自由主義諸国並みのブルジョワ憲法を掲げた、共産党と民主諸勢力の連合政権(引用者注:民主…

断章361

「東西南北およびその中心も一切を党が支配する」と言う習 近平 ―― 中華人民共和国の第5代最高指導者。第5代党中央委員会総書記、第6代党中央軍事委員会主席、第4代国家軍事委員会主席、第7代国家主席 ―― と中国共産党が掲げる看板、すなわち「毛沢東思想」…

断章360

日本の知識人たち、とりわけ「左翼」知識人は、日本(自国)をおとしめるための材料として、「学問の自由」を声高に叫ぶ。しかし、忘れてならないことは、ダブルスタンダードの彼らは旧・共産圏諸国の「学問の自由」の圧殺には口を閉ざし続けていたことであ…

断章359

700万年~600万年前という遙かな太古から、21世紀の世界に帰還中であるが、旅に寄り道はつきものである。ということで、中国に寄り道。 共産党は赤色(紅色)全体主義であり、ナチスは黒色全体主義で、かつてのスペイン・フランコやチリ・ピノチェトなどはカ…

断章358

「いかなるものに突き動かされているのかを知ることによって、人は初めて自由になれる」(E・トッド)。それは、“飽くなき欲望”である。 但し、「左翼」インテリのように、この“飽くなき欲望”を、あたかも道学者(注:道徳にとらわれ、世事人情にうとく融通…

断章357

「植物栽培と家畜飼育の開始は、より多くの食料が手に入るようになることを意味した。そしてそれは、人口が稠密化する(引用者注:すき間もろくに無いほど多く集まる)ことを意味した。植物栽培と家畜飼育の結果として生まれる余剰食料の存在、また地域によ…

断章356

物事には順序というものがある。なので、人類最古の文明というシュメル文明を少し詳しく見てみよう。 「周囲が開けているメソポタミアでは異民族の侵入が繰り返された。メソポタミアが不毛な土地であったならば、誰も侵入しない。穀物のよく実る、豊かな土地…

断章355

わたしたち人間とは何であるか? わたしたちの歴史とは? そしてわたしたちの住む世界とは? ここまでおおざっぱながら、人類史の99%以上を占める、およそ700万年~600万年前の遙かな過去からB.C.3000年頃までを振り返ってきた。 人間(ヒト)は、協力・協…