断章556

日経平均株価の過去最高値は、1989年12月29日の38,915円87銭。過去最安値は、2009年3月10日の7,054円98銭である。ここ最近、日経平均株価は大幅に上昇し、終値で3万3000円台を付け、バブル崩壊後の最高値を更新している。異次元金融緩和の管理相場とはいえ、…

断章555

「『何をなすべきか?』(レーニン)は、20世紀の政治的古典である。 『何をなすべきか?』については、地下政党を運営していく技術を詳しく実際的に書いた青写真を提出したものという大きな誤解がある」と、ロバート・サーヴィスは言った。 『何をなすべき…

断章554

プーチンの私兵とみなされていたロシア民間軍事会社ワグネル(プリゴジン)は、飼い主の手を噛んだ。 結果は、今のところ、大山鳴動するも噴火せずプッスンと一発、に終わったようである。 「ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏…

断章553

事態は、急展開中である。 ワグネルの総帥、エフゲニー・プリゴジンは、「安心してください、正義の行進ですよ!」(とにかく明るい安村風に)と言った。 「ワグネルの部隊は24日未明、ウクライナから国境を越えてロシア南西部ロストフ・ナ・ドヌに入った。…

断章552

「わだは革命家になる」(棟方 志功風に)と、レーニンは決意した。ツァーリ専制権力の打倒を誓う“鬼”になった。 レーニンは、19世紀末のロシア帝国という歴史的社会的文脈のなかで、マルクス主義を“革命の理論”としてつかみとる。 レーニンは、おのれの軌跡…

断章551

19世紀のロシアでは、あまたの人びとが、ツァーリ専制権力との戦いに生涯を捧げた。戦いの記憶と記録は、受け継がれる。 レーニンは、やがてロシア経済の工業化にともなう労働者運動の活発化などを踏まえて、(「人民主義」ではなく)マルクス主義に立脚する…

断章550

「復讐するは我にあり!」 「1887年3月12日(当時のロシア暦では2月28日)、ロシア・ロマノフ王朝の皇帝・アレクサンドル3世の暗殺計画が発覚、首謀者らが捕えられた。(中略) 先帝を暗殺したのは『人民の意志』派という組織で、当然ながら徹底的に弾圧され…

断章549

専制と「土地と自由」(ナロードニキ)の、殺るか殺られるかの対決はつづいた。 もともとロシア帝国(専制ロマノフ朝)の弾圧・拷問は酷(ひど)かった。 「1866年には、被疑者に、一週間も睡眠を与えないという不眠の拷問が行われている。これは、肉体的な…

断章548

「『人民のなかへ』の運動は失敗した。農民は立ちあがらなかった。学生たちはこの大実験から学ぶべく反省をはじめた」(松田 道雄)。 たとえば、「チャイコフスキー団」の盛衰に、運動の経過を見てみよう。 「1869年、マルク・ナタンソン、オリガ・ナタンソ…

断章547

「革命のためには何でもやる(何でもあり)」というネチャーエフには、また後年会うことになろう。さしあたり、ネチャーエフ事件は、青年・学生のあいだに、秘密の陰謀的な活動に対する疑問、ためらいを生じさせた。 「このときピョートル・L・ラブロフの『…

断章546

『革命家の教理問答(カテキズム)』(バクーニン著作集・白水社刊から) ―― ここには“冷徹な憤怒”がある。 1. 革命家は死すべく運命づけられた人間である。彼には自分自身の利害もなければ、感情も愛着も財産もなく、名前すらない。彼のうちなるすべては、…

断章545

「1869年の12月26日、モスクワの農業大学のなかの池の氷の下に大学生の死体が発見された。頭部の銃創で他殺であることが明らかだった。ただちに捜索が始まった。学生がイワーノフということがわかって、その周囲の人物が多数検挙されて事件の全貌がわかった…

断章544

1860年代、ロシア帝国は領土拡張を続けていた。また支配下にあったポーランド、リトアニア、白ロシアでの反乱を制圧した。 「専制国家は他の国民に対しても専制的だ。国民が専制主をチェックできないからだ。それどころか、国民は自分が抑圧されていることを…

断章543

ロシアの危機を何によって解決すべきか? 政府が解決できないとすれば、どうすればいいのか? 革命(思想)は、空から降ってはこない。 ある時代の、ある土地の、歴史と社会のなかで生まれ成長し腐朽する。あるいは、別の時代の、別の土地のものが、伝播し模…

断章542

ロシアの危機を何によって解決すべきか? 政府が解決できないとすれば、どうすればいいのか? ロシアのインテリは、雑誌『同時代人』(ソヴレメンニク、『現代人』とも訳される)誌上で回答した。ちなみに、 「インテリゲンチャという言葉は、直訳すると『知…

断章541

ロシア帝国(ロマノフ王朝)は、専制的な統治を続けていた。「ニコライ1世(1825年~1855年)は、“デカブリストの乱”後の不穏な社会情勢を『腐敗、不正常』とみなした。有害な思想を取り締まることを目的として検閲法を発布。さらに、皇帝官房第三部という秘…

断章540

デカブリストの乱から3年。 「1828年、ふたりの少年がモスクワ市をみおろせる雀が丘の上に立っていた。眼下をまがりくねって流れるモスクワ川には小さな舟が浮かび、地平線にシルエットをみせている多数の教会の尖塔や円屋根は落陽にかがやいていた。木造の…

断章539

革命(思想)は、空から降ってはこない。 レーニンとロシア共産党(ボリシェビキ)の革命(思想)は、彼らの時代=彼らの社会のどのような問題に対する、どのような解決策であり、その解決策は諸問題をきちんと解決できたのか? 「ロシアでは11~12世紀まで…

断章538

2022年11月、「国連」の世界人口推計は、世界の総人口が80億人を突破したと明らかにした。1950年の世界人口は、およそ25億人だったという。世界人口はまだしばらく増大するが、19・20世紀のような経済成長と生活向上は、困難になるかもしれない。というのは…

断章537

マルクスは、近代市民社会を解剖して、それを動かしているエンジンである資本制生産様式の機能・構造・終焉を明らかにした、と主張した。 マルクスの言葉を借りれば、「私の業績に関する限り、近代社会における階級の存在を発見し、さらにその階級闘争を発見…

断章536

マルクスの理論は、「近代市民社会を解剖して、(その経済システムである)資本制生産様式の構造・機能・終焉を明らかにした」というものであった。この資本制生産様式という経済システムは、それ以前と比較して、たとえるなら、漕ぎ船を動かす人力や木造帆…

断章535

遅ればせながら「ChatGPT」を試していたので、ブログが書けなかった。凡愚な老人であるから、「ChatGPT」のお試しで、これまでのことを思い出して、しみじみしたのである。 カリカリとロウ原紙にゲバ文字を刻み、インクで手を汚しながらガリ版で手刷りをして…

断章534

日本共産党とは何か? その過去から見えること。 1970年に出版された『日本革命とマルクス・レーニン主義』(日本共産党中央委員会出版局)という小冊子がある。「はしがき」には、「本書は、この二年間に党綱領とマルクス・レーニン主義の創造的適用・発展…

断章533

ヴィルフレド・パレートは、「経済学における一般均衡の概念を社会学に応用し、社会は性質の異なるエリート集団が交互に支配者として入れ替わる循環構造を持っているとする“エリートの周流”という概念を提起したことで知られている」(Wikipedia)。 1975年…

断章532

日本共産党とは何か? ふたりの人生から見えてくるもの(その2)。 ふたり目は、不破 哲三(ふわ てつぞう)である。 志位委員長よりも不破 哲三が問題である。なぜなら、2023年2月23日付けの『現代ビジネス』によれば、「共産党の委員長を天皇にたとえるの…

断章531

日本共産党とは何か? ふたりの人生から見えてくるもの(その1)。 ひとり目は、鈴木 元(すずき はじめ)である。 Wikipediaによれば、鈴木 元とは、「日本のジャーナリスト。元学校法人立命館職員、元日本共産党京都府委常任委員、かもがわ出版取締役。78…

断章530

じわじわと迫りつつあること。それは、大混乱・大波乱・大変化の新たな大波である。 資本制生産様式(資本主義)の基本矛盾は、労働力の商品化である。資本主義の歴史的特殊性は、市場〈競争〉のメカニズムをとおして社会的総労働の比例的配分を自律的(シス…

断章529

1914年、第一次世界大戦が勃発した。第一次世界大戦では、「7,000万人以上の軍人が動員され、史上最大の戦争の一つとなった。参戦国や戦争に巻き込まれた地域は、2018年時点の国家に当てはめると、約50カ国に達した。軍事的には参戦国が人員や経済力、工業技…

断章528

「1864年当時、ロンドンでは活発な政治運動が展開されていた。フランスの労働者たちはこうした運動に招待を受け、ブリテンとフランスの代表者間で国際組織を実現させる具体的な道筋が定まっていく。1864年9月、ロンドンでフランスの労働者代表団を迎えて歓迎…

断章527

資本主義(資本制生産様式)は、現代先進国の庶民にかつてない自由と豊かさをもたらした ―― 凡愚なわたしでさえ、幼年期の「ぽっとんトイレ」「五右衛門風呂」の間借り暮らしから、「自動水洗トイレ」「追い焚き機能付きガス給湯風呂」の戸建て暮らしになっ…