2022-11-01から1ヶ月間の記事一覧

断章496

「人間の欲望やその他の情念は、それ自体としては、罪ではない」(ホッブズ)。 ネトウヨは、いけ図図しく借用する。 人間(ヒト)の〈飽くなき欲望〉は、それ自体としては悪ではない。 〈飽くなき欲望〉の根拠は、生き物としての生存に対する〈飽くなき欲望…

断章495

ネズミ男は、東の大海に浮かぶ「動物王国」で暮らしている。つれあいのハムスター女は、若い頃に勤めていた会社の社員旅行で香港に2回、台湾に1回行ったことがあるらしい。時々「あ~、美味しい中華が食べたい」というが、家計が許す範囲は、“ほか弁”の「中…

断章494

「私の業績に関する限り、近代社会における階級の存在を発見し、さらにその階級闘争を発見したことは、なんら自分の貢献ではありません。ブルジョワ歴史家がすでに私のまえに、この階級闘争の歴史的発展を暴露し、ブルジョワ経済学者はこれら諸階級の経済的…

断章493

「要するに、啓蒙思想家たちのすばらしい約束にくらべて、『理性の勝利』によってつくりだされた社会的かつ政治的な諸制度は、苦い幻滅的な戯画であることがわかった」(エンゲルス)。 1962年12月4日の日本共産党機関紙『アカハタ』の「主張」は、次のよう…

断章492

赤色全体主義(チュチェ思想)の特権階級が支配する朝鮮民主主義人民共和国。この国の軍国主義的官僚指令経済(ノルマと配給の経済)には、財の希少性の指標としての(資本システムに備わる)価格メカニズムがない。だから、経済を回すには、コネとワイロと…

断章491

「人口爆発、環境汚染、貧困拡大、温暖化……われわれ人類の行く末について、悲観的な予言を目にしない日はない。だが実のところ、いまこそは人類史の最高の時代なのだ。明日を暗くするかに見える問題も、多くは良い方向に向かっている」と、“合理的楽観主義者…

断章490

フェラーリは、咆哮するエンジン、鮮やかなボディカラー、官能的なボディーラインをもつ、比類なきスポーツカーである。 マルクスの学説(思想)は、たとえるなら、ブレーキの無いフェラーリである。 魅力的な学説(思想)であるが、ブレーキが無いから、天…

断章489

日本共産党代表団・宮本 顕治団長が「熱烈な兄弟のあいさつ」を送った、朝鮮労働党の「社会主義建設と防衛」とは、どのようなものだったのか? たとえば、1980年代前半から半ばにかけて、北朝鮮で技術指導に携わった在日朝鮮人・李 佑泓は、「北朝鮮は明確な…

断章488

日本共産党代表団と朝鮮労働党代表団は、1966年共同声明のなかで、「マルクス・レーニン主義の純潔をまもるために闘争しなくてはならない」(『赤旗』1966/3/24)と主張した ―― “純潔”は、破られるものだ。日本共産党は、マルクス・レーニン主義という“用語”…

断章487

「人類は30万年の歴史の大半において極貧だった。暮らしが少し豊かになるたびに人口が増え、結局、1人当たりの生活水準は生存可能なギリギリの線に戻ってしまうからだ。『マルサスの罠』と呼ばれるこの経済的停滞が、ほんの200〜300年前まで人類にとっては当…

断章486

「愚かな民だと侮ってる …… 誰のために踊らされているのか よく見極めろ♪」(『1789』)。 「日本の有識者や世間の議論の悪いところは、世界でいちばんのものを持ってきて『それに日本が劣る』と騒ぎたて、『日本はダメだ、悪い国だ』と自虐して、批判したこ…

断章485

「ロシアによる軍事侵攻を受けているウクライナでの戦闘に参加し戦死した台湾人義勇兵、曽聖光さんの追悼式が、首都キーウで予定されている。軍関係者からは曽さんの死を惜しむ声が上がっている。 曽さんが参加していた部隊の報道官は9日、中央社の取材に応…

断章484

「資本主義は危機に瀕し、終焉に向かっているという主張はいつの時代にもあります。 1929年に発生した世界恐慌で、アメリカをはじめとする資本主義国が、大混乱に陥ると、スターリンらソ連の首脳部は、『これこそが資本主義崩壊のはじまりであり、マルクスの…

断章483

ユルゲン・コッカが言うように、わたしたち庶民の暮らし向きと〈自由〉は、資本システム(資本制的生産様式)の発展と拡大を基盤として改善されてきた。たとえそれが、資本主義的発展の過程において徐々にしか実現されず、周知の通り、19~20世紀に繰り返し…

断章482

苦労知らずのお坊ちゃんで、実業知らずの大学知識人たち(たとえば、斎藤 幸平や白井 聡)は、「脱成長」とか「資本主義からの解放」と、しゃあしゃあと言ってのける。食うに困ったことがないからである。 わたしは、資本のシステムを、「めちゃくちゃいい」…