2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧
「夢や幻ではなく現実を直視して、今ここで戦い、力強く生きよ」。 現代世界(そして現代日本)のさまざまな諸問題(諸個別現象)を根本から正しく読み解くためには、〈人間〉についての普遍本質的な理解が必要である。 〈人間〉の普遍本質についての理解を…
「定住は、穀物や動物の作物化・家畜化よりはるかに古く、穀物栽培がほとんど行われない環境で継続することも多かった。 最初の大規模な定住地が生業のために依存したのは、圧倒的に湿地の資源であった」(『反穀物の人類史』ジェームズ・C・スコット)。 …
約1万1700年前頃、氷河期が終わり安定した温暖な気候が始まった。同じ頃にメソポタミアや中国で遊動生活から定住生活への転換があったのは偶然ではない。 すでに「人類の技術は何百万年にもわたってゆっくりと進化し、3万年前から1万2000年前までの時期にそ…
パンッと張った財布を持参しているか、あるいは旅先でリッチなベネフィット(利益・恩恵・便益)が得られればこその、あこがれの「旅暮らし」である。 「フーテンの寅」が、舎弟の登に「堅気になれ」と勧めるのも、本当のところ「旅暮らし」は厳しいからであ…
「人類は、その出現以来、移動狩猟採集民として歴史の99%を生きてきた。キャンプを次々と移動させる遊動生活は、人類が出現して以来、数百万年以上にもわたって続いてきた暮らし方であった。 遊動生活とは、ゴミ、排泄物、不和、不安、不快、欠乏、病、寄生…
繰り返し確認しなければならない。 歴史を遡(さかのぼ)り、世界を知ろうとすることは、“教養人”になるためではない。 人間の普遍本質を探究し、歴史・世界の真実を踏まえた〈救国救民〉の戦いにより、絵空事や美辞麗句でない現実的な改革を実現するためで…
「定住生活は、自然環境の大変化に応じた適応形態として出現するのであるが、同時に、それを可能にした人類史的な前提条件として、定置漁具による漁撈やデンプン質ナッツの大量獲得・大量貯蔵の技術的発達がある。 遊動狩猟採集民が、明日の食料について心配…
「不快なものには近寄らない、危険であれば逃げていく。この単純きわまる行動原理こそ、高い移動能力を発達させてきた動物の生きる基本戦略である。 しかし、快なる場所に集まる動物は、そのためしだいに多くなり、ついに、あまりに多くなってしまえば、この…
生きること、それは戦うことである。「優しくなければ生きている資格がない」としても、「タフでなければ生きて行けない」のである。 「縄張り意識をもつ動物のあいだでは、縄張りをもたないオスは交尾相手を惹きつけることはできず、良い縄張りをもつほど交…
「狩猟採集の生活の最小単位は『バンド』と呼ばれる。バンドは血縁を中心とした平均25人から35人の集団で、その周囲にやはり血縁でつながる『バンド社会』がある。 バンド社会の『内と外』は明確に区別され、異なる社会のバンドと遭遇すると戦争になった。バ…
「近年、農耕開始以前の旧石器時代が再評価され、場合によっては『平等で自由で健康な楽園(ユートピア)』として描かれている」という。 ランガムは、狩猟採集民の平等主義の実態について書いている。 狩猟採集生活をする「人々は、平均50人以下の『バンド…