断章176

 日本経済新聞社が刊行した、『経済史から考える』岡崎 哲二・著(2018年5月2刷)を読んだ。というのは、宣伝に、「戦前戦後を通じての日本経済の成長の源泉は1980年代には枯渇していた。それが今日の長期停滞の背景だ、と喝破。成長率を再び高めるには、イノベーションを醸成する政策、新たなビジネスモデル、新規参入の活性化が必要だ。こうした成長政策の舵取りと実行力は、戦前の産業構造の変化や、戦後の『所得倍増計画』に学ぶことができると説きます。人材育成、イノベーション醸成の点で、現在の高等教育の貧困、大学の置かれた惨状についてもきびしく批判します」とあったからである。

 であれば、これからの日本を憂うネトウヨとして、読むべきだと思ったので、「読まずに死ねるか!」という必須本を後回しにして読んでみた。

 東京大学大学院経済学研究科教授であり、スタンフォード大学経済学部客員教授を務め、IEHA会長職も務めるだけのことはある。「本は1行に出会うために読む」というけれども、第5章「経済成長のための戦略」では、1行どころでなく、大いに学ばせていただいた。

 

 ところが、第8章「戦後70年談話に関する日米学者の試み:『私が首相なら』」に及んで、思わず、「岡崎、お前もか!」と独りごちた。この論考は、2015年5月20日の『朝日新聞』に掲載されたものだ。

 そこでは、「日本の『力による現状変更は受け入れられない』という主張に説得力を与え、国際社会の中で有力なものとするためには、日本がかつて行った侵略、すなわち文字通りの『力による現状変更』の試みがアジア諸国と日本国民に甚大かつ悲惨な被害をもたらしたことを率直に認めたうえで、それに関する真摯な反省・悔恨と謝罪の意思を表明し、そうした行為の背景にあった制度と国粋主義的価値観を戦後の日本が払拭したことを示す必要がある」と言っている。

 

 おいおい、「歴史が示す長期停滞脱出のヒント」を求めて、まさか、あの和田春樹 ―- 「北朝鮮が日本人を拉致した証拠はない」と言い続けた東京大学名誉教授 ―- の主張まがいの話を聞かされるとは・・・。

 

 やはり岡崎たち「リベラル」には、いつまでたっても、理解できないのだ。

 日本(首相たち)が、どれほど「真摯な反省・悔恨と謝罪の意思を表明」しても、中国や韓国は、「だから何」「反省だけなら猿でもできる」「だったら、誠意を見せろ」と言い続けることが。

 わたしたちが、「真摯な反省・悔恨と謝罪の意思を表明」すればするほど、中国や韓国は、威圧的な態度に出てくることが。中国や韓国の“反日プロパガンダ”は、自国が優位に立ち日本を圧迫するための国家戦略であるから、都合次第で作動させることが。

 

 そして、尖閣諸島の接続水域内での中国公船の航行は、4月14日から100日連続となった。韓国では、日本企業資産の現金化が目前である。