断章183

 「広島の悲劇から75年、そしてベイルート大爆発(火元は硝酸アンモニウムの貯蔵倉庫だった)のきのこ雲に青ざめる」という本日の記事。

 では、「北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に反して核や弾道ミサイルの開発を続け、弾道ミサイルに搭載可能な小型化した核兵器を開発した可能性が高いことが3日、分かった。過去の核実験などを通じ、搭載技術が向上しているとみられる。

 国連安保理北朝鮮への制裁の履行状況を調査する専門家パネルが9月にも公表する予定の中間報告書を日本経済新聞が入手した。

 報告書によると、北朝鮮は2017年以来核実験を実施していないが、過去6回にわたる核実験で技術を蓄積した。弾道ミサイルの弾頭に埋め込めるような小型化された核兵器を開発した可能性が高いという」(2020/08/04 日本経済新聞)記事はどうか・・・。

 

 わたしたちは、「核で4つの島を沈めてやる」と言う北朝鮮を目前にしている。

 「建国以来、つねに戦争の危機に直面し」、今では、「国家・企業間の熾烈なグローバル競争を卓越したイノベーション力で席捲する、世界注目の国家・イスラエル」を知り、そして、「紛争の絶えない中東を見ながら、国家にとっての主権、国益というものがどれだけ大切なものかを考えることは、不安定さを増してきた国際情勢の中で、とりわけ情緒的な性善説に流れがちな日本人に必要なこと」(『世界のエリートはなぜイスラエルに注目するのか』新井 均)である。

 

 そこから得た、「最も大きな気づきは、イスラエルでは『どのような国になろうとしているか』という絵が明確に見えること、である。それは、国としても民族としても『生き残る』という確固たる命題があり、そのためには① 強い国であること、② 必要とされる国であること、が重要であると考え、そのために様々な努力をしていることから見えてくる絵である。

 具体的には、・国民の数を増やす ・安全保障を最優先に力を注ぐ ・多様な技術革新を通して世界からの投資を得ることである」(新井 均)、「軍・官・民が一体となって『エリート』を育成・確保する ― その仕組みを支えるのも強い『使命感』と『戦略性』」であり、「危機意識がイノベーションを創り出す!」のだという。

 

 危機意識、使命感、戦略性、それらが生みだすイノベーション

 まさに、日露戦争後の日本(軍事)エリートと、現在の日本に不足しているものだ。しかし、イスラエルを真似ることは、容易ではない。日本(日本人)とイスラエルユダヤ人)は、違っている。ウサギとカメほどに。

 だとすれば、わたしたちは、たとえカメのようにゆっくりでもコツコツと、ゴールを目指して進まなければならない。軍事・戦争領域でのゴールのひとつは、かつてのレーダーや原子力のようなパラダイム・シフト的な軍事技術革新である。例えば、“スーパーかめはめ波”のような。

 

【参考】

 日本がミサイル・無人機(ドローン)攻撃を効果的に遮断できる最先端武器、高出力マイクロ波(HPM)兵器の開発に本格的に入る。2019年11月の産経新聞によると、日本防衛省は早ければ2021年度予算に装備開発費用を反映する方針という。開発から実戦配備までは5年ほどかかると予想される。

 現在、主要国が先を競って開発中のHPMは「戦闘の様相を変えることができる」決定的な兵器に挙げられる。陸・海・空のどこでも配備可能で、敵のミサイル攻撃のほか作戦中の有人・無人機の機能をまひさせて無力化できるためだ。

 中国とロシアは人工衛星を攻撃できるHPM兵器まで開発している。米空軍は5月、20基以上のHPMミサイルを実戦配備したという。

 マイクロ波の原理は日常でもよく接することができる。病院で医療機器の誤作動を引き起こすおそれがあるとして携帯電話使用の自制を求められるのが代表的な例だ。携帯電話の通信帯域がマイクロ波周波数帯に該当し、各種電子機器の作動に影響を及ぼしかねないからだ。

 マイクロ波を軍事用として使用するには普通100MW以上の連続的な出力が必要だが、事実上不可能であり、主にパルス形態で使用される。

 日本ではすでに2014年からHPM基礎研究が進められてきた。産経新聞によると、防衛省の外局の防衛装備庁電子装備研究所で効率的にHPMを発生させる技術を研究中だが、来年には研究と試験をすべて終える計画だ。

 防衛省は5月と7月、HPM発射装置開発および製造、輸入に関する業務を担当する企業を選別するための手続きに入った。これに12社が応募したと、同紙は伝えた。防衛省はHPM導入時、陸上配備型と艦艇搭載用のほか戦闘機(F2後続機)搭載も検討中という。