2020-01-01から1年間の記事一覧
H・ノエル・ブレイズフォードは、P・ドラッカー『「経済人」の終わり』1939年初版への「序文」を書いた。 「本書は、何についての本であるか。主としてそれは、ファシズム全体主義とは何かを知らしめるものである。(中略) ルターとカルヴァンの勝因は、16…
コロナ禍対策としての超金融緩和によって資産バブルはさらに膨らんだ。 「保有資産が10億ドルを超え『ビリオネア』と呼ばれる米国の大富豪約650人の資産総額が、新型コロナウイルスの流行下に1兆ドル(約104兆円)以上増えたことが、米シンクタンクの政策研…
P・ドラッカーは『「経済人」の終わり』の1969年版への「まえがき」に、「本書の結論は(引用者注:1939年初版発刊)当時としてはあまりに極端だった。すなわちヒトラーの反ユダヤ主義がその内部的力学によってユダヤ人抹殺という『最終解決』まで進まざるを…
「本書の分析は、ドイツにおいてナチスが政権を奪取したときには、事実上完了していたといってよい。事実、その後数年間の現実の動きは、私の分析の正しさを証明していた。しかも私はかなり正確に予測していた。こうして私の分析が単なる仮説以上のものであ…
「本書は政治の書である。本書には明確な政治目的がある。自由を脅かす専制に対抗し、自由を守る意思を固めることである」。 P・ドラッカーは、亡命後の29歳でのデビュー作『「経済人」の終わり』の「まえがき」で決然とこう宣言した。 わたしは、P・ドラッ…
オスカー・ワイルドが、「ほとんどの人々は他の人々である。彼らの思考は誰かの意見、彼らの人生は模倣、そして彼らの情熱は引用である」と言うとき、その言葉は、わたしを刺す。痛い。 100回読むに値する「古典」、日本刀のように鍛え抜かれた「思想」をた…
15兆円以上を運用している世界最大の債券マネジャーであり世界最大のヘッジファンドの創立者であるレイ・ダリオは、「わたしたちは、1930年代的危機に際会している」と言ったが、いわゆるパンデミック・バブルを除けば、その他の情勢に大きな変化はみられな…
日本の「左翼」インテリは、韓国「従北左派」に、あるときは力を貸し、あるときは結託して「反日」に勤しんできた。その韓国「従北左派」は、最近、どうしているのだろうか? 「韓国国会で14日、いわゆる『対北ビラ禁止法』(南北関係発展法改正案)が可決さ…
「市民社会の解剖学は経済学のうちにもとめられなければならない」としたマルクスは、主著『資本論』において詳細な「市民社会」の解剖図(あるいは「資本制社会」の超音波画像)を提示した。しかし、その解剖図は難解である(あるいは超音波画像は不鮮明で…
「厚生労働省は15日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めは、11日時点で見込みを含めて7万6543人だったと発表した。前週よりも1202人増加。アルバイトなどの非正規労働者が約6割に当たる702人を占めた」(共同通信)。 〈政治〉という“言葉…
マルクス主義の《ドグマ》に囚われている「左翼」学者たちは、「社会主義国家」という“用語”を躊躇なく使用する。ところが、虚心坦懐にマルクスの著作を読む限り、「社会主義国家」というようなものは、ありえようがないのである。 マルクスは、資本制的生産…
1976年、イスラエルのハイファに生まれたユヴァル・ノア・ハラリは、ティーンエイジャーだった頃のことを、「私は、絶えず悶々としていた。世の中というものが少しも理解できず、人生について抱いていた大きな疑問の数々に、答えがまったく見出せなかった。…
「ますます特権を増大させるわれらが特権階級は、逆説的だが、ますます欲求が満たされず、ますます貪欲になり、ますます国家に敵意を抱くようになる。 基本的所得格差が法外な比率で増大していくような世界では、富裕者は、己の納税額が減少することを要求し…
「20歳だろうと80歳だろうと、学ぶことをやめた者は老人である」(ヘンリー・フォード)。 ネトウヨは、高学歴のリベラルなお利口さんたちから、「低学歴のアタマ悪い馬鹿だよね」と言われている。 確かに。わたしについては、そのとおりである。中学3年生の…
日本の自称「知識人」インテリは、韓国の「躍動する民主主義」とやらが大好きで、韓国の『ハンギョレ新聞』に日本の悪口をたびたび投稿して、韓国の「反日」プロパガンダの片棒をかついでいる。 では、その韓国では、どんなことが起きているのか。 11月2日の…
アテネの守護神・アテーナーは、「知恵と戦いの女神」であり、鎧や楯(イージス)を身につけ長槍を手にしていた。自称「知識人」リベラルが嫌悪しようとも、「左翼」学者がやっきになって妨害しようとも、軍事(防衛)研究を進めることは国家の責務である。…
わたしは、現場仕事や実業世界の底辺で生活したから、言うなれば、蟻(アリ)の目を持っている ―― 旧・ソ連や中国を「社会主義国家」と称え続けた日本共産党(不破 哲三)は「科学の目」を持つと自画自賛していた。 なので、「どんなことをしてカネを稼いで…
ネズミ男は、大洋に浮かぶ小さな「動物王国」に住んでいる ―― この「動物王国」は、大陸にある『動物農場』(G・オーウェル)に自国経済(儲け)の大きな部分を人質に取られているので、言うべきことも為すべきことも中途半端な、国らしくない国である。また…
「今日のような乱気流の時代にあっては、変化は常態である。変化はリスクに満ち、楽ではない。悪戦苦闘を強いられる。だが、この変化の先頭に立たないかぎり、企業、大学、病院のいずれにせよ、生き残ることはできない。急激な構造変化の時代にあっては、生…
「人間とは何であり、何であるべきか」、そして短期的な逆流や局地的な抵抗があったとしても、大局的に、「わたしたちはどこから来て、どこへ行くのか」という自問自答は続く。 近現代、すなわち19・20世紀を検討する前に、また18世紀を一瞥しておこう(ウィ…
「われわれは裸で生まれ、また裸で死んで行く」という“法話”がある。 しかし、生まれてくるときに、金のスプーンを咥(くわ)えて生まれる児もいれば、粗末な木の匙(さじ)を咥えた児もいる。また、死に際しても、痒(かゆ)い所に手が届くケアを受けつつ死…
「ちょっかいをしかけてくる外敵に対して自衛することのできない社会は、かならず自主独立を失い、場合によっては集団としてのアイデンティティをも失って離散消滅するであろう」(『戦争の世界史』)。 鳥は余りにも飛びすぎて、羽はボロボロになり、すっか…
「戦争は繰り返し起きている。文明が発展しても、民主政治が行われても、戦争は減らない。記録の残る過去3421年のうち、戦争がなかったのはわずか268年である。現在、戦争は人類の競争と自然淘汰の究極の形となっている。ヘラクレイトスは『戦いは万物の父で…
「現代とは一方では、近代から継承した『自由』と『豊かさ』を尊重する社会であり、他方では、その『自由』と『豊かさ』を人為的に維持・増進するために諸種の介入・保護・誘導・統制が導入された時代でもあります。自由と介入とは一見するなら相容れません…
世界のコロナ感染者数は5,200万人、回復者数は3,380万人、死者数は128万人である(今なお日毎に増えている)。 そんな中で、11月11日、日経平均株価は7営業日連続で値を上げ、バブル崩壊後の最高値を更新した(29年ぶりに)。 「目下の株高については、金融…
「戦前エリートはなぜ劣化したのか」という問いに対して、日露戦争後に「慢心と油断が生まれた。これが日本という小国のエリートにとって、死活的に重要な感覚を失わせてしまったといってよい。それは、時とともに変わっていくもの、すなわち国家を取り巻く…
差し当たり、今冬の失業者に10万円の給付を。さらに、プログラミングなどを無料学習できる学校、訓練校コースなどの建設・拡充を急げ。 「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」とも言うが、凡そ、「勝ちには勝つ理由があり、負けには負ける理由…
「新型コロナウイルスの感染拡大に関連した解雇や雇い止めの人数(見込みを含む)が初めて7万人を超えた。厚生労働省によると6日時点で7万242人に達した。雇用情勢の厳しさが改めて浮き彫りになった。 厚生労働省が2月から全国の労働局やハローワークを通じ…
「新国立劇場・2019/2020演劇シーズン、シリーズ『ことぜん』の第一弾は、ロシアの作家ゴーリキーの『どん底』を上演します。この作品は我が国の演劇界において、1910年(明治43年)に『夜の宿』と題して初演されて以来、百年を経た現在でもたびたび上演され…
「歴史をみてわかるのは、宗教はいくつもの命をもち、繰り返し復活するということである。神と宗教は、過去に何度死と再生を経験したことか」(『歴史の大局を見渡す』)。 例えば、キリスト教について言えば、「ローマ皇帝コンスタンティヌスがキリスト教に…