断章188

 日本の「朝日新聞」の定期購読層は、「産経新聞」を手に取らないだろう。しかし、韓国社会の分断は、日本よりも大きそうである。なので、韓国・「ハンギョレ新聞」の読者は、韓国・「朝鮮日報」を便所の落し紙以下の扱いにしそうである。その韓国紙「朝鮮日報」に聴く2題。

 「与党『共に民主党』は、8月15日の光復節で金元雄(キム・ウォンウン)光復会長の記念の辞が論議を呼んだのを機に『親日清算』『土着倭寇(国内の親日派)撲滅』を連日叫んでいる。こうした中、共に民主党の議員たちが日本原作のアニメーション『トクスリ5兄弟』(1972年、原題『科学忍者隊ガッチャマン』)に続き『銀河鉄道999』(1978年)を広報の素材に使っていたことが分かった。

 共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)、李在汀(イ・ジェジョン)、朴柱民(パク・チュミン)の各議員は2018年5月『銀河鉄道999』の登場人物に扮(ふん)した。当時、地方選挙を1か月後に控えて発足した『平和鉄道111』の遊説団の広報の一環だった。

 朴柱民議員は『銀河鉄道999』の主人公『チョリ』(原作では鉄郎)に、李在汀議員は『メーテル」に扮した。鄭清来議員は『駅長』の格好だった。

 当時、秋美愛(チュ・ミエ)代表は『銀河鉄道999が天の川を超えて明るい光の海へと出ていくように、共に民主党の平和鉄道111に全国の子どもたちが手を振って拍手をしてハートのゼスチャーを見せてくれるはず』『平和の気運とメッセージを乗せて全国各地に届けてほしい』と述べていた。

 『銀河鉄道999』は日本の有名漫画家、松本零士氏の作品だ。これを原作としてアニメーションが作られ、韓国でも大きな人気を集めた。しかし共に民主党は『天の川を超えて明るい光へと出ていく』と表現していた『銀河鉄道999』を、党の広報手段として1年以上活用した後、昨年夏になって『親日清算』フレームを振りかざし始めた」(2020/8/20)。

 

 「韓国の文在寅ムン・ジェイン)大統領はかつて顕忠日の追悼演説で、『鳳梧洞の戦い』における勝利の主役である崔振東(チェ・ジンドン)将軍は『独立戦争で初の大勝利を挙げた』として『国軍のルーツ』と持ち上げた。ところが報勲処は崔将軍の『親日欠缺(けんけつ=要件が欠けていること)』を確認し、7月に行政安全部(省に相当)へ叙勲取り消しを要請したという。文政権の『親日追い込み』に合わせて独立有功者の行跡を洗い直す過程で、崔将軍の『親日』が発覚したのだ。しかし文政権は叙勲取り消しを保留した。文大統領自身が賞賛した『抗日英雄』に『親日派』とレッテルを貼る『不敬』を犯すことはできなかったからだろう。

 崔将軍が1920年に鳳梧洞の勝利を導き出したという事実に疑いの余地はない。軍務都督府という独立軍の部隊を率い、洪範図(ホン・ボムド)将軍の部隊と連合して日本軍を撃破した。多くの財産を鳳梧洞一帯での独立運動になげうちもした。しかし、1937年の日中戦争以降『変節』した、という主張が出てきた。日帝に巨額の献金を行い、日本軍討伐隊の先頭に立ったという疑惑だ。遺族らは『日帝の拷問で強奪されたもの』『日本軍に協力したことはない』と反論している。こうした論争は一度や二度ではない。35年間国を失った民の抗日と親日を、どうしてダイコンを断つように区別できようか。

 日帝強占期に生まれてもいない現政権の勢力は、政治的な突破口が必要になるたび、あちこちで親日派のレッテルを貼る。盧武鉉ノ・ムヒョン)政権時にも一度、国をつついた騒動だ。当時、親日派清算の先頭に立っていた与党議員の父親が満州国警察の特務だったことが発覚し、与党代表は父親が日本軍の憲兵として服務していた事実が明らかになって代表ポストを退いた。親日追い込みをして自分の足を切ってしまったのだ。報勲処の調査の通り崔将軍が『親日派』であるなら、文大統領は6・25の戦犯に続いて親日派を『国軍のルーツ』として賞賛したことになる。こんな笑い話をいつまで繰り返すのだろうか」(2020/08/21)。