断章380

 中華人民共和国とは、クマのプーさん(習 近平)が君臨する紅い上着(紅色全体主義中国共産党)を身につけた肥満体(混合経済体制)である。

 ちなみに、2014年、ポーランドの遊園地では、「クマのプーさん」は、彼が赤い上着しか身につけておらず、下半身にはなにも身につけていないので、「半裸」と見なされ、「子供向けのキャラクターとしては適さない」と判断され、遊園地などに「着ぐるみ」として登場することが禁止された。

 

 中国で「大躍進」が行われた当時、日本の「左翼」インテリは、「中国大陸では4つの害鳥獣であるハエ、カ、ネズミ、そしてスズメを完全に駆除した」とか「人民公社の暮らしは夢のようにすばらしい」とか「世界革命人民の中心、赤い太陽の毛主席万歳」という中国共産党プロパガンダに大喜びで追従していた。

 なぜなら、「科学的社会主義」という“ドグマ”に囚われているから赤頭巾や赤い上着を身につけてさえいれば、その本質(内実)を吟味することなく信用してしまうからだ。また、「前衛党」を理想化するマルクス・レーニン主義者と「知的エリート」を理想化するインテリの親和性が高いからでもある。

 もちろん、その当時も日本の庶民は、「ハエが全くいないなんて、そんなことがあるはずがない」「裸の大将・山下 清画伯はランニングシャツを着ているが、毛 沢東は裸の王様だ」と冷静だった。

 

 旧・ソ連スターリンや中国の毛 沢東の支配が、「開発独裁」の極限形態や、あるいはイワン雷帝Wikipedia:きわめて苛烈な性格であったため、ロシア史上最大の暴君と言われる。「雷帝」というアダ名は彼の強力さと冷酷さを共に表す)や始皇帝Wikipedia:中央集権体制の確立を図ったほか、国家単位での貨幣や度量衡の統一、道路整備、陵造営などを行った。法家を重用して、批判的な儒家などの弾圧や書物を焼却した「焚書坑儒」でも知られる)の“再版”に見えるとしても、支配の“本質的核心”は、その「イデオロギー的要素」にある。

 つまり、ファシズム共産主義といった全体主義では、ともに何らかの理想を掲げて、それを実現するために民衆を動員することが欠かせない。

 但し、かつてコミュニズムマルクス主義)の理想は、「プロレタリアートの解放」であったが、21世紀になってからは、「脱成長」「格差是正」「資本の原理からの脱出」といった、はなはだ曖昧模糊なことに落ちぶれた。

 

 中国共産党の「転落」は、もっとひどい。先日、中国共産党は、独立派とみなした台湾人士に対して、「祖先を忘れ、祖国を裏切り、国を分裂させる者は結局うまくいかず、人民に拒絶され、歴史において断罪される」と宣告した。

 これは、マルクスの「万国の労働者、団結せよ」という「プロレタリア国際主義」のカケラもない“民族主義”である。

 スターリン主義(毛 沢東主義)は、「人間の人格」を否定し、自由と正義を否定し、私有財産の普遍化にすぎない「国有」と「生産手段の共有」を同一視する、「粗野なコミュニズム」(全体主義と読め!)なのである。