断章466

「〈市場原理〉が働いてこそ、資本主義である。〈市場原理〉が働くとは、自由競争が作動するということは、資本主義には倒産と失業がつきものだということである」(小室 直樹)。また、“資本主義”では、恐慌あるいは金融危機が定期的に発生する。それは、「…

断章465

19世紀の大混乱・大波乱・大変化からは、マルクス主義(コミュニズム)が生れた。マルクス主義(コミュニズム)は、「いまの世界と自分はこれでいいのかという煩悶(はんもん)を感じる人々に、歴史のなかで進むべき道を見失った人々に、人生の意味を提供し…

断章464

世界的な大混乱・大波乱・大変化は、間違いなくやって来る。 「アメリカ資産運用大手GMOの共同創業者兼チーフストラテジスト、ジェレミー・グランサム氏は、7日、世界経済は根強いインフレやタカ派的な金融政策、地政学的緊張を背景にここ数年で最も不安定…

断章463

「酒場政談レベルの世間知や道徳論による俗流資本主義批判」がまき散らされている。わたしたちは、“術語”(専門用語・テクニカルターム) ―― たとえば、資本主義 ――をはっきりと定義するか、さもなければ各術語について充分共通の理解をもった上で、議論をは…

断章462

今のところ、“資本主義”より優れた経済システムは、ありません。「私の人生は私が決める」という“欲望”に応えることができるのは、“資本主義”だけ、CAPITALISM,ALONEなのです。 現在の停滞した日本でも、「ここ20年で創業し、保有株の価値を高めて『株式長者…

断章461

資本制社会における賃金労働者は、二重の意味で自由な労働者である。 「二重の意味で」とは、第一に、奴隷ではなく、(労働力の所有者として)自由に契約できる主体ということであり、第二に、生産手段をもたない(生産手段から自由な)主体ということである。…

断章460

太古の昔、人間(ヒト)は遊動しながらの狩猟採集を生業として暮らしていた。 およそ12,000年前、人間(ヒト)の暮らしに最初の大きな変化の波がやって来た。「定住」「農耕」である。「定住生活につづき、やがて定着集落(村落)が形成された。また、一箇所…

断章459

明治維新後の新政府で、薩摩 (さつま) ・長州・土佐・肥前の4藩、特に薩長2藩の出身者が中心となり閥(ばつ)をつくって行った政治を藩閥政治という。藩閥エリートたちは、血風すさぶ幕末・明治初期をくぐり抜け、食い詰めた下級武士出身者もいたので、政治…

断章458

「この世に神様が 本当にいるなら あなたに抱かれて 私は死にたい ああ湖に 小舟がただひとつ やさしくやさしく くちづけしてね くり返すくり返す さざ波のように♪」島倉 千代子 くり返すものは、さざ波だけではない。恐慌もバブルの崩壊もくり返すし、「老…

断章457

“資本主義”は、不況、回復、好況、後退という4つの局面を繰り返しながら発展拡大する(それに先行する株式は、底ねり期、おそるおそるの上昇期、バブル絶好調期、そして崩落を繰り返す)。その過程での庶民の喜怒哀楽や阿鼻叫喚に対しては、もし“資本主義”が…

断章456

つらつら世界を見、社会を考えるに、“資本主義”の避けがたい矛盾は次第につのり、インフレ、景気後退、失業、環境破壊および富の偏在の結果、政治的経済的な大混乱・大激動が、間もなく、わたしたちを直撃しそうである。 「今日は来ないが明日は来るであろう…

断章455

19世紀的な「社会進化のパラダイム」は消失した。にもかかわらず、「今日は来ないが、明日は来る」と、「社会主義のパラダイス」を待ち望む者が絶えることはない。 「マルクスを読みたまえ」と、マルクス主義者と“同伴”知識人は言う。「資本主義の残虐、資本…

断章454

世界は不条理に満ち、理不尽があふれ、人間は非合理だ。自然災害、事件・事故、病気、奸計、裏切り、間違い・勘違いが無くなることはない。 「エドモン・ダンテス(のちのモンテクリスト伯)は、素朴な船乗りの青年で、愛する女性と婚約し幸せな日々を送って…

断章453

「今日は来ないが明日は来る」はずの「社会主義を待ちながら」、インテリたちは延々と議論をつづけている(それが彼らのメシの種でもある)。そんな議論を気にもせず、世界人口は増加をつづけている。 10万年前の世界人口は、アフリカの現生人類とユーラシア…

断章452

夢をみた。50年ほど昔にあったこと・・・? 三角公園に赤テントが張られ、芝居をしていた。「社会主義を待ちながら」という演目のプログラムは、思いのほかきれいな色刷りだった。幕が開く。ホームレスに扮した役者たちが、何もない殺風景な舞台の上でセリフ…

断章451

わたしは、元肉体労働者、前商売人です。人生の前半は、おおむね、地べたをはいずり回り、人生の後半では、少しお空を飛んだこともあります。今は貧乏なネトウヨにすぎません。 貧しい日本、バブルの日本、停滞の日本とともに歩んできました。人生のモットー…

断章450

ええかっこしいの「左翼」インテリたちは、“非武装中立”だとか“自衛隊縮小”だとか“武器輸出絶対反対”、さらには“脱成長”いうバカ話を能天気にまきちらす。日本の軍事・戦争に関する研究・開発は、これまでおおいに妨害された(日本の国防について言えば、主…

断章449

偽善的な「左翼」インテリ、自称「知識人」リベラルたちが、空想的平和主義の空文句をふりまき、政府自民党が安易な妥協主義(なあなあ)で“及び腰”をつづけた結果、日本は第二次大戦後、一貫して「兵は国の大事にして、死生の地、存亡の地なり。察せざるべ…

断章448

オスのゴリラは11歳を過ぎるころから背から腰にかけての毛が白くなってくる。これは、シルバーバックと呼ばれ、オスのゴリラをおとなとそれより若い個体とに区別する確実な手がかりになる。 人間のオスは、歳をとると、おおむねホワイトヘッドになる(白髪頭…

断章447

かつて“社会主義”(“社会主義国家”、“社会主義体制”)を信仰するイデオロギーの帝国があった。その中心には、共産党の大伽藍がそびえたっていた。ガランドウだから中身は空っぽなのだが、そこで発せられる美しい言葉・声明・宣言によって救われたい信者たち…

断章446

1986年のことである。日本共産党・不破 哲三は、誇らしげに、「1984年12月、宮本・チェルネンコ会談をモスクワで行い、共産主義者同士として『社会主義の言葉』で話し合って、核戦争阻止、核兵器廃絶についての日ソ両党共同声明を出しました」と語った(『労…

断章445

日本共産党は、その党によって、またその党のためにのみ生きている職業的活動家(専従・常任)を基幹とする、党中央への官僚的忠誠・服従を求める政党である。それは、今なおスターリン主義の“無謬神話”を堅持しており、おのれに都合の悪い事柄を忘却の淵へ…

断章444

「私たちはどうでもよくて取るに足らないことにばかり気をとられてしまう。そして相変わらず重大な事件に虚をつかれ、そんな事件が私たちの世界を形づくっていく」(『ブラック・スワン』)。 ウクライナの砲声は、第三次世界大戦の接近を告げた。一発の凶弾…

断章443

日本共産党の100年を総合的包括的に評価するためには、すでに完全に「オワコン」(オワコンとは、主に一般ユーザー又は個人ユーザーに飽きられてしまい、一時は栄えていたが現在では見捨てられてしまったこと)に落ちぶれた、ロシア10月革命とそれにつづく旧…

断章442

ウクライナからカスピ海を渡り、遙かなる秘境崑崙(こんろん)とゴビ砂漠を越えて8,000Km余り東。大海のなかに「動物王国」がある。この国には、たくさんの政党がある。政党のひとつに、協賛党という党中央への党員の服従ぶりが際立つ政党がある。輝かしい(…

断章441

世界がわたしたちを直撃する。 1930年代型複合的全面的危機の到来に備えなければならない。地域戦争がもたらすエネルギー・資源危機や食糧危機。世界金融恐慌、あるいは世界的なスタグフレーションという経済危機とそれが引き起こす政治危機の国際的連鎖。か…

断章440

「ロシアの侵攻を受けているウクライナで義勇兵として戦った元英陸軍兵士が、ロシア軍が攻勢を強めるウクライナ東部で戦死した。遺族が公表した。 死亡したのは、3月に英陸軍を除隊しウクライナへ渡ったジョーダン・ギャトリー氏。このところ激戦が続くウク…

断章439

私は1987年に東京大学に入学した。いよいよバブルが本格化していく時期である。駒場キャンパスでは民青同盟が活動し、日本共産党の党員・支持者と接する機会もあったが、公式主義的で官僚主義の傾向が強く、魅力を感じることはなかった。 中北 浩爾は、『日…

断章438

恐ろしい時代である。隣国との紛争を「特別軍事作戦」(戦争と読め)で片づけようとする核大国がある。国際連合もG20も機能不全であり、無力だ。 恐ろしい政党がある。日本共産党だ。創立以来100年もの間、旧・ソ連(おおむね今のロシアに重なる)、旧・東欧…

断章437

日本共産党とは何か? 創立100年を迎えた日本共産党は、わたしたち民草をどうするのか? 繁栄に導くのか、それともむさぼり食うのか? 不破 哲三 ―― ペンネーム、本名は上田 建二郎。日本共産党中央委員会常任幹部会委員、党付属社会科学研究所所長 ―― は、…