断章443

 日本共産党の100年を総合的包括的に評価するためには、すでに完全に「オワコン」(オワコンとは、主に一般ユーザー又は個人ユーザーに飽きられてしまい、一時は栄えていたが現在では見捨てられてしまったこと)に落ちぶれた、ロシア10月革命とそれにつづく旧・ソ連さらにコミンテルンを知らなければならない。日本共産党は、(客観的結果的に見て)その手先として働く者たちであったからである。

 

 こんにち、日本共産党は、「崩壊したソ連社会主義とは無縁であり、日本共産党はその誤りと自主独立の立場でたたかい抜いてきた」と言う。

 従来の主張に口をぬぐって、ほおかぶりをきめこもうとする、日本共産党厚顔無恥をバクロしなければならない。

 

 日本共産党の“陰の実力者”(真の実力者とみる人もいる)である不破 哲三。彼の著作に兄・上田 耕一郎との共著『マルクス主義と現代イデオロギー (上・下)』(1963)がある。

 不破が書いた、Ⅳ「現代トロツキズム批判」の214ページを見てみたまえ。

 「10月革命以来40年間の世界史の発展は、…世界革命の不均等な発展が主要な先進資本主義国をまだ資本主義体制のもとにとどめているあいだに、ソ連社会主義社会の建設を完了し、社会主義は資本主義的包囲を打ち破って世界体制となり、帝国主義者のいかなる攻撃をも撃退しうる力をもちながら共産主義社会への移行をめざして巨大な前進を開始しているのである。ソ連共産党第21回大会でフルシチョフがのべているように、『一国における社会主義の建設と、その完全かつ最終的な勝利にかんする問題は社会発展の世界史的行程によって解決された』のである」と、まるでソ連共産党が飼っていたオウムのような口ぶりである。

 これが、旧・ソ連による64万人もの日本兵のシベリア抑留・強制労働 ―― バイカル・アムール鉄道は日本人抑留者の血と汗で完成したと言われている ―― があった後、さらにすでに旧・ソ連(中国も)のはなはだしい人権侵害が世界に知られつつあった後での、不破 哲三の“論考”である。

 

 わたしの立場は、

 <ロシア10月革命は、社会主義革命ではない。ボリシェビキによるクーデターだった。

 旧・ソ連は、社会主義国家ではなかった。スターリン主義武装した特権的党・国家官僚階級が支配する軍国主義的官僚統制経済の赤色全体主義国家だった。

 日本共産党は、旧・ソ連の特権的党・国家官僚階級の公認イデオロギーであるスターリン主義の虜(とりこ)になり、(主観的にはどうであれ客観的には)日本国内を撹乱した政党である>というものだ。

 

【参考】

 ボリシェビキは、ロシア社会民主労働党が分裂して形成された、ウラジーミル・レーニンが率いた左派の一派。のちにロシア共産党ボリシェビキ)。1917年に起きた民主革命であるニ月革命後は社会主義革命とプロレタリア独裁を主張した。10月には武装蜂起に成功し、十月革命を起こし、ソビエト政権を樹立した。(Wikipedia