断章535

 遅ればせながら「ChatGPT」を試していたので、ブログが書けなかった。凡愚な老人であるから、「ChatGPT」のお試しで、これまでのことを思い出して、しみじみしたのである。

 カリカリとロウ原紙にゲバ文字を刻み、インクで手を汚しながらガリ版で手刷りをしていた時代。一行液晶の親指シフト富士通ワープロが発売され、輪転謄写機を使いだした時代。NECPC-98を使い始めた時代。ガーピーという電話線でインターネット接続を始めた時代。仕事で、ソニーVAIOシリーズと富士ゼロックス複合機をリースした時代。商売をたたみ、富士通FMVとレーザープリンターを買った時代。はるばると荒野を渉猟してきた思いがする。

 ちなみに、「ChatGPT」に、「荒野を渉猟する、という言い方は誤っていますか?」と聞いてみた。彼女(彼?)の答えは、「『荒野を渉猟する』という言い方は、日本語としては少し変わった表現ですが、意味としては通じます。ただし、より自然な表現としては、『荒野を狩猟する』という表現が一般的です。また、もし『渉猟』という言葉を使いたい場合には、『野生動物を渉猟する』というように、より明確に表現することが望ましいです」ということだった。わたしの〈質問力〉が試されているのか?

 

 パソコンが、のべつ幕なくフリーズすることはなくなった。代わりに、身体がときどきフリーズし始めた。昨日のスポニチによれば、「3人組バンド『アリス』が、6月から予定していた全国ツアーの延期を21日、公式サイトで発表した。谷村新司(74)が3月に急性腸炎で手術を受け療養中で、回復に時間がかかるために来年に延期するとしている」。同病相憐れむ(どうびょうあいあわれむ)仲になってしまったようである。

 わたしも、「ああ さんざめく 名も無き星たちよ せめて鮮やかに その身を終われよ♪」と願っている。

 しかし、「そうは問屋が卸さない」。前門には“インフレ”が、後門には“不況”が待ち構える難儀な時代になった。