断章307

 事の真相が知りたい。これはデマに踊らされたデタラメなのか?

 4月29日付けの韓国紙・中央日報によれば、「韓国のムン・ジェイン大統領を批判するビラを散布した30代男性が侮辱罪で検察に送検されたことが伝えられると、野党が文大統領の批判に出た。刑法上侮辱罪は被害者や法定代理人が直接告訴しないと起訴できない親告罪であるため、文大統領側が告訴状を出したと推定されるからだ。

 29日、野党『国民の力』のファン・ギュファン常勤副報道官は『民主主義は消えて文主主義だけが残った』として批判した。ファン副報道は『侮辱罪は親告罪なので大統領が国民を告訴した前代未聞の出来事が起こった』とした。また『〈大統領のことを悪く言って気持ちが晴れるならそれも良いこと〉と言っていた大統領はどこへ行ったのか』とし『政権に対する批判に対して猿ぐつわをはめた』と鋭く批判した。あわせて『国民に対する弾圧を直ちに中断し、事件に対する立場を直接明らかにして謝罪せよ』と促した。

 『国民の力』青年非常対策委員も批判に参加した。キム・ジェソプ非常対策委員はこの日、党非常対策委員会会議で『前日私と同年齢のある青年が文大統領を批判するビラを散布した容疑で検察に送検された』とし『青年が大統領侮辱罪で起訴される状況に置かれた』と話した。キム非常対策委員は『私もこの席でチョ・グク元法務部長官の娘チョ・ミンさんを公開的に批判して名誉毀損容疑で警察に立件された』とし『本当に息が詰まる世の中』と話した。

 あわせてキム非常対策委員は『文大統領は、当選前は大統領を侮辱する程度は表現の自由カテゴリーに含んでもかまわないと言いながら、大統領を侮辱して気持ちが晴れるなら良いことだと言った』とし『だが、実情は大統領と権力者を批判すれば“最高尊厳”冒とくで処罰を受ける』と皮肉った。また『青年・老人問わず、脅迫の時代になった』と批判した。

 チョン・ウォンソク非常対策委員も『一体いつから大韓民国最高権力者は本人のことを悪く言う一人の若者に対して幼稚で偏狭な対処をするようになったのか』とし『大統領を悪く言ってストレスが解消されるならば聞くことができるという盧(武鉉)元大統領の配慮が本当に懐かしい』とした。チョン非常対策委員は『残念なことに今回の事件を通じて、大韓民国大統領の器は醤油皿にすぎなかったことを目撃してしまった』とし『永遠に権力に酔いしれて初心に返れない文大統領の彷徨が一日も早く終止符を打つよう願う』と批判した」というのだ。

 

 かつて大統領就任2周年に合わせ、ドイツ紙フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)に、「韓国は今、『革新的包容国家』を目指し、誰もが金銭面を心配することなく好きなだけ勉強し、失敗を恐れず夢を追い、老後は安らかな生活を送れる国を築いていっています」と、誇らしげに寄稿したムン・ジェイン大統領が、本当に告訴状を出したのか(或いは側近の告訴状提出に同意したのか)?

 ムン・ジェイン大統領への批判ビラは、“ヘイト”だったのだろうか? 「侮辱罪で検察に送検された」とは!?

 

 かつて日本の政治学者・山口 二郎は、「安倍に言いたい! お前は人間じゃない! 叩き斬ってやる」と反政府集会で叫んだそうである。山口 二郎は、警察(或いは検察)から「事情聴取」されたのだろうか? 「書類送検」されたのだろうか?