断章396

 「北朝鮮金王朝の金 与正は、韓国・文 在寅政権に対して、「チッ」と舌打ちしながら、「いつも、まるで子供のように純真で希望に膨れた夢のようなことだけをしゃべり、偉そうなふり、正義に富むような振り、原則的であるようなふりをし、平和の使徒のように振る舞い、鼻持ちならない」と非難した。わたしも、日本の「左翼」インテリや自称「知識人」リベラルを見ていると、そう言いたくなる。

 彼らは、「人間には本質的に互酬性や利他性があり、すぐれた理性があるのだから、正しい知識を身につければ、誰でも理性的に正しく振る舞うようになる」と甘ったるく考えている。国際政治においては、つねに、「世界市民」や「平和主義」や「軍縮による世界平和」を構想(夢想)する。そして、いつも現実から激しく鞭打たれるのである。彼らの脳ミソの化石化(思考の硬直化)は進んでおり治すことはむつかしい。彼らがどうなろうと自業自得でかまわないが、ふにゃふにゃの甘ったるい言説を垂れ流して日本国民を精神的に「武装解除」することは許せない。

 

 わたしたちの日本は、アメリカあるいは中国発の「金融恐慌」、南海トラフ発の「巨大地震」、新たな「パンデミック」 ―― 「イギリス・イングランド地域のクリス・ ホイッティ首席医務官は21日の記者会見で、政府が同地域の新型コロナウイルス対策の法的規制を全廃する方針を発表したことに関し、今後も新たな変異株がいくつも出てくるとし、その一部はワクチンへの抵抗力が強まる可能性があると警告した。イギリス政府はこの日、イングランド在住者らを対象に、コロナ感染者の自主隔離義務などの撤廃を発表。科学者や野党の間から懐疑論がわき起こっている。ホイッティ氏は、『われわれ全員が新たな変異株の出現を予期している。一部はすぐに消えるだろうが、一部は重大な問題を引き起こすだろう』と語った」(2022/02/22 ロイター通信) ―― 発生の可能性、止まらない少子高齢化といった困難な時代の真っ只中である。

 

 そんなときのウクライナ問題である。

 「ウクライナ情勢を巡り、多国間による2つの『合意』が焦点となっている。ロシアはウクライナ東部紛争の和平への道筋を示した『ミンスク合意』の履行を迫る。一方の米欧はロシアこそが過去に結んだウクライナの安全を保証する『ブダペスト覚書』に違反していると批判する。緊張緩和に向けた外交交渉は難航が予想される。

 国連安全保障理事会は17日の会合でミンスク合意の履行状況を議論する。議長国のロシアが呼びかけた。同国はウクライナが合意を履行していないと批判しており、その主張に国際社会の賛同を促す狙いがある。

 ミンスク合意はロシアとウクライナ、独仏首脳が2015年にまとめた。ウクライナ東部で14年から続く同国軍と親ロシア派武装勢力との紛争について、停戦と和平への道筋を示した内容だ。独ロ首脳も15日の会談で、同合意の枠組みが重要との認識で一致した。

 履行に向けた最大の争点が、親ロ派が占領する東部地域に広範な自治権を持たせる「特別な地位」の付与だ。ウクライナは事実上の連邦制とロシアによる実効支配につながると警戒する。同地域での地方選の実施についても、親ロ派を支援する名目で侵攻してきたロシア軍の撤収や、ウクライナによる国境管理が条件だと主張してきた。

 ウクライナには合意がそもそもロシアに有利な内容で結ばれたとの不満がある。ロシアはウクライナが訴える項目の修正を拒否してきた。ウクライナが合意を守らず、武力解決を試みているとの立場を取り、同国への圧力を強めた。

 ロシアには緊張をあおり、米欧が合意の履行を促すように仕向けたい思惑もある。プーチン大統領は15日の記者会見で、どこまで緊張緩和を進めるかは『状況次第』と言い放った。部隊撤収を国防省が発表し『良い兆候だ』(ショルツ独首相)と期待する見方が出た矢先だった。

 ロシアによる揺さぶりは続く。下院は15日、親ロ派武装勢力が実効支配するウクライナ東部2地域を独立国家と認めるようにプーチン氏に求める決議案を採択した。

 ブリンケン米国務長官は16日の声明で、国家承認すればミンスク合意に違反すると明言した。『米国が同盟国やパートナー国と完全に連携し、迅速かつ断固とした対抗措置を講じる必要性が出てくる』と警告した。

 ロシアは同国こそが国際合意に違反しているとの批判は受け入れてこなかった。特にウクライナを巡り、1994年に同国とロシア、米英が署名した『ブダペスト覚書』に違反した行為を続けているとの指摘がある。

 覚書はウクライナソ連崩壊時に国内にあった核兵器を放棄する代わりに、同国の主権を尊重し、武力行使や威嚇をしないと定めた。ロシアが14年にクリミア半島の併合を一方的に宣言したのに続き、今回の国境近くでの軍備増強もこの覚書に違反すると米国は批判する。

 プーチン氏がこの覚書に言及することはミンスク合意に比べて圧倒的に少ない。ロシアに有利な合意は利用し、不都合な覚書は黙殺する。同氏の姿勢はそんな『ご都合主義』にも映る。国際的な合意を軽視する強権国にどう対抗できるか。軍事圧力によってロシアとの交渉を強いられた米欧は難しい対応を迫られる」(2022/02/17 日本経済新聞)。

 

 そして、中国の王毅外相は19日、ウクライナ東部の停戦と和平への道筋を示した「ミンスク合意」が同国の情勢を解決するための「唯一の方法」だと、ちゃっかりロシアの援護射撃をした ―― 「ブダペスト覚書」にふれることなく。