断章510

 これまでの日本には、自称「知識人」リベラルを筆頭に、いわゆる「出羽守」がゾロゾロいた。ドイツ・フランス・イギリス・北欧諸国の事例と比較して、日本(人)はダメだとさげすむ人たちである。

 ロシアのウクライナ侵略後、いったい彼らは、どこに行ったのか?

 

 ロシア(皇帝ダース・プーチン)は、ウクライナに侵攻して「第三次世界大戦」というパンドラの箱を開けた。歴史的大惨事を呼ぶ放火である。

 北欧諸国は、自国のことのように事態を憂慮している。

 だから・・・、「英国やポーランド、バルト3国など欧州11カ国は19日、ロシアの侵攻が続くウクライナを援護するため、主力戦車や重火器を含む『前例のない支援一式』を提供すると約束した。エストニアの首都タリンで国防相らによる会合後、共同声明を発表した。

 20日にドイツ南西部ラムシュタイン米空軍基地でウクライナ軍事支援の国際会議が開かれるのを前に、共同歩調を打ち出した形だ。

 11カ国は声明で『ウクライナが自国領土からロシアを追い出すための装備を提供するのは、領土を守るための装備を提供するのと等しく重要だ』と強調。『ウクライナが抵抗からロシア軍の駆逐に移行するのを支援し続ける』と宣言した。

 共同声明は『タリン誓約』と名付けられ、主力戦車や重火器、防空システム、弾薬、歩兵戦闘車両などの武器供与を約束。20日の会議で他の参加国に追加支援を促す方針も明記した」(2023/01/20 時事コム)。

 共同声明が『タリン誓約』と名付けられていることに留意すべきである。

 

 そして、「フィンランドのミッコ・サボラ国防相20日、大口径砲や弾薬などウクライナに対して4億ユーロ(約560億円)に上る過去最大の軍事支援を行うと発表した。サボラ氏は声明で『ウクライナは領土を守るために引き続き支援を必要としている』と強調した。

 (フィンランド国防省は供与する兵器の詳細については明らかにしなかったが、同省特別顧問はAFPに対し、ドイツ製の高性能戦車『レオパルト』は含まれないと述べた。

 一方、スウェーデンは19日、ウクライナ政府が数か月にわたって供与するよう求めていた自走榴弾(りゅうだん)砲『アーチャー』 ―― スウェーデンノルウェーが共同開発した新世代の自走榴弾砲ボルボのダンプトラックの荷台に52口径155mm榴弾砲の砲塔を搭載し、この砲塔は自動装填装置で無人化され連続砲撃が可能であり、GPS内蔵砲弾は60Km先への長距離精密射撃が可能 ―― 、装甲車、対戦車ミサイルウクライナに提供すると表明した」(2023/01/20 AFPBB News)。ボルボは、「意識高い系」が好むおしゃれな「乗用車」だけをつくっているのではないのだ。

 さらに、「カナダ政府は18日、ロシアの侵攻を受けるウクライナに対し、装甲兵員輸送車200台を追加供与すると明らかにした。カナダのアナンド国防相が同日、ウクライナ首都キーウ(キエフ)を訪問し発表した。

 提供するのは、カナダのロシェル社製『セネター』で、総額9000万カナダドル(約86億円)相当。カナダ政府は『ウクライナからの具体的な要請に応じた』と強調した。ウクライナのレズニコフ国防相は『われらの勝利を近づけるものだ』と歓迎した。

 カナダ政府によると、ウクライナ侵攻が始まった昨年2月以降、ウクライナに対するカナダの軍事支援は総額10億カナダドル(約960億円)を超えた」(2023/01/19 日本経済新聞)。

 

 なにかにつけて、欧米・北欧諸国の事例と比較して、日本(人)はダメだとさげすんできた、自称「知識人」リベラル・「出羽守」たちは、今こそ声を大にすべきときである。

 「欧米・北欧諸国“では”、軍事支援に力を入れているぞ」と。(できるかな?)