断章430

 それは2020年10月のことだった。「シュレーダー前ドイツ首相夫妻が『平和の少女像』撤去指示に抗議し、ドイツ当局に決定を撤回するよう要請する手紙を送った。(中略)

 シュレーダー夫妻は書簡で『区長の決定は、絶対に理解できない。それは、暴力の犠牲者として苦痛を受けた元慰安婦のおばあさんたちの痛みを見捨てる反歴史的決定』と批判した。

 また『日本政府が、このような残忍な戦争暴力の歴史を清算するどころか、むしろ沈黙するように圧迫することは歴史を忘却する処置』とし『ベルリン・ミッテ区長がドイツ外務省の指示を受けるものとみられる日本の圧力に屈しないことを願う』と強調。

 その上で『ドイツはナチスの歴史を清算し、世界中から尊敬されている』とし『ドイツ官庁は、日本の戦争犯罪隠ぺいに加担してはいけない。独立市民団体は、日本の戦争犯罪を公開的に知らせ、指摘している』と述べた。(後略)」(ハンギョレ新聞)。

 

 世界中がドイツを尊敬? 

 「<東独出身のメルケル時代から長年対ロ融和政策を続けた挙句、対ウクライナ武器供与にもロシア産エネルギーからの脱却にも及び腰のドイツは、「再び歴史の間違った側に踏み出そうとしている」と、西側同盟国からの不信が募っている>

 ボリス・ジョンソン英首相のウクライナ通商特使に任命されたキャサリン・マイヤー貴族院議員(保守党)は、ロシアの軍事侵攻が続くウクライナへの支援をためらうと歴史の間違った側に立つ恐れがある、とドイツの指導者たちに警告した。

 マイヤーは、4月25日にロンドンのウェストミンスター宮殿で行われた地政学評議会のイベントで講演し、ドイツ政府を批判。ドイツはロシアのウクライナ侵攻後、国防費を大幅に増額すると発表したが、EUの対ロシア制裁強化への参加やウクライナへの重火器供与を躊躇しているところを見ると、本当に歴史的な方向転換をしたのかどうか『疑わしい』と語った」(2022/04/28 ニューズウィーク日本語版)。

 

 「ドイツのシュレーダー元首相(78)への批判が高まっている。ロシアのプーチン大統領の長年の友人で、ロシア軍によるウクライナ侵攻開始後も、ロシアの複数のエネルギー企業幹部にとどまり巨額報酬を得ているためだ。所属する社会民主党SPD)からの離党や、シュレーダー氏個人に制裁を科すことを求める声も強まってきた。

 1998~2005年に首相を務めたシュレーダー氏は、プーチン氏の求めに応じ、パイプライン事業『ノルドストリーム』を推進。ドイツが天然ガスの“ロシア依存”を強める契機となった。シュレーダー氏は首相退任後も、同パイプライン運営会社の株主委員会会長や石油大手ロスネフチ取締役会会長など、数々のロシア企業の役員を務め、ロビー活動に協力してきた。ショルツ首相らによるポスト返上の求めにも応じていない。

 シュレーダー氏は23日の米紙NYタイムズのインタビューで、ロシアとの関係を『過ちとは認めない』『過去30年はうまくいってきた』などと強弁。戦争は過ちとしつつ、戦争を終えられる唯一の人物の信を失ってはならないと、プーチン氏との関係を続ける意向を示した。実際に両氏は3月にモスクワで面会したが、成果は何もなく終わったもようだ。

 ウクライナ侵攻後、独連邦議会(下院)内のシュレーダー氏の事務所職員は、長年の側近も含め全員辞任。エスケンSPD党首は、シュレーダー氏のプーチン氏擁護は『全くばかげている』と離党を求めたほか、複数の与野党議員が制裁を科すことを主張。ビルト紙が28日公表した世論調査でも、59%が制裁に賛成した」(2022/04/29 時事通信)。

 

 シュレーダーと韓国人妻との結婚は、こみいったものだった。韓国紙によると・・・

 「ドイツのシュレーダー前首相(74)が、再婚相手の40代の韓国人女性の元夫から訴えられた。元夫は「前首相のため婚姻関係が破綻した。精神的苦痛に伴う慰謝料を支払え」と主張し、ソウル家裁に1億ウォン(約1000万円)の損害賠償請求訴訟を起こしたという。シュレーダー氏は1月の記者会見で「秋頃の結婚を考えている」と表明していたが、独メディアは今月、すでに2人は結婚していると報道。シュレーダー氏にとって人生5度目の結婚は、話題を呼んでいるようだ」(2018/05/18)

 そして、「シュレーダー元ドイツ首相が妻キム・ソヨン氏の元夫A氏が起こした損害賠償訴訟で敗訴後に控訴せず、判決がそのまま確定した。

 17日、法曹界によると、シュレーダー元首相は先月20日、キム氏の元配偶者A氏が自身を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、一部敗訴した。しかし、期限内に控訴状を提出しなかった。当時、ソウル家庭裁判所は、A氏が請求した1億ウォン(現レートで約980万円)の損害賠償訴訟でシュレーダー元首相に3000万ウォンの賠償責任を認めたが、この判決がそのまま確定した。

 A氏は2017年11月にキム氏と離婚し、条件としてシュレーダー元首相と決別することを要求した。しかし、キム氏は2018年にシュレーダー元首相と結婚した。A氏はキム氏が約束を破ったとし、シュレーダー元首相に1億ウォンの賠償を求める訴訟を起こした。

 シュレーダー元首相側は、自身とは関係なくA氏とキム氏の関係がかなり前から破綻していたと主張してきた。しかし、裁判所はこれを認めなかった。裁判所は、シュレーダー元首相がキム氏に配偶者A氏がいることを知りつつも不貞行為を行い、この不貞行為によりA氏の夫婦共同生活が破綻に至ったと判断した」(2021/06/17)。