断章163

 「京都大学は26日、霊長類研究所(愛知県犬山市)などで業者との架空取引や損失補填(ほてん)が34件見つかり、計約5億600万円の研究費が不正に支出されていたと発表した。松沢哲郎特別教授ら4人が関与していたという。

 松沢教授は言葉を覚えたチンパンジーのアイの研究で知られ、2006~2012年、霊長類研究所の所長を務めた。13年、人間の認識と行動の進化的な起源を解明したとして文化功労者に選ばれた」(2020/06/26 時事コム)。

 「ヒトのDNAはチンパンジーのDNAと98.4%同一である」(Wiki)が、チンパンジーは、逆立ちしてもこんな“芸当”はできないのである。

 

 「ヒト亜族とチンパンジー亜族は、DNAの変異にかかる時間に基づき推定すると800-700万年前に分岐した可能性が高いという論文が発表されている。

 チンパンジー亜族と分岐して直立二足歩行をしていたヒト亜族のうち、もっとも初期のものはサヘラントロプス・チャデンシス(700-600万年前)とされている。

 脳の発達したヒト属(ホモ属)は、およそ200万年前にアフリカでアウスラロピテクス属から別属として分化した。ホモ・ハビリスの頃から石器を使い始め、次第に洗練させた。

 さらにヒト属に属するホモ・サピエンスは、およそ40万年から25万年前に現れた。他にも、すでに絶滅したヒト属がいくつか確認されている(アジアに生息したホモ・エレクトスや、ヨーロッパに生息したホモ・ネアンデルターレンシスである)。

 およそ5万年前を境にホモ・サピエンスの技術と文化は変わり始め、現代的行動がとられるようになった。現代的行動とは、人類学、考古学などで使われる言葉で、現生人類とその祖先に特有であり、他の現生霊長類や絶滅したヒト科の生物が持っていなかった行動のことを指す。現代的行動は人類の歴史を通してすべての人類集団に共有されている主要な特徴であり、ヒューマン・ユニバーサルズとして観察される。一般的には、言語、宗教、芸術、音楽、神話、娯楽、冗談などが含まれる。ヒューマン・ユニバーサルズは非常に孤立した民族を含むすべての文化で見つかるため、科学者はこれらの特徴が出アフリカの前に進化したか、発明されたはずだと考えている。

 現代的行動はホモ・サピエンスが象徴的思考への依存を高め、文化的な創造性を示しはじめたことを意味している。これらの行動の進化は、言語の進化と関連していると考えられることが多い。

 現代的行動の起源について、大きくふたつの理論がある。ひとつはおよそ5万年前に、自然言語の発生を可能とするような脳の構造の再構築か、あるいは大きな遺伝的変化によって突然起きたと考える。この理論は大飛躍、大躍進、旧石器時代革命などと呼ばれる。

 もう一つの理論では、単一の技術的、認知的な革命は起きず、万年単位での漸進的な遺伝的変化、知識・技術・文化の蓄積が原因であると考える」(以上、ウィキペディアを再構成)。

 

 すべての哲学は、つまるところ、「人間とは何であり、どうあるべきか」を問いかけている、と言った人がいた。