断章293

 中国は、紅色帝国主義としての本領を発揮しつつある。

 ブータンを圧迫し、インドを挑発し、つい先日は、「先月、中国人民解放軍海軍の警備艦が西海(黄海)で活動していたが、今回はとうとう東経124度を越えて東側に入ってきた。東経124度は中国が自分たちの海上作戦区域境界線だとし、一方的に設定した線だ。中国軍艦はこの線で止まらず、さらに10キロほど進入してきた。韓国側の海に入ってきて、白リョン島から40キロほど離れた海域まで接近した。

 韓国海軍は直ちに西海で北方限界線を監視していた戦闘艦1隻を現場に急派し、中国警備艦の監視と牽制に入った。 匿名を求めた政府消息筋は26日、『最近、中国警備艦は東経124度に張り付くようにして航海し、ほぼ毎日この線を越えてきて、白リョン島のほうへ向かっている』とし『昨年12月は珍しく(韓国側に)深々と入ってきたケースだ』と話した。

 もちろん、白リョン島から40キロ離れた海域は公海だ。だが、海上でここまで接近すること自体が軍事的な領域アピールになる。 野党『国民の力』のシン・ウォンシク議員が合同参謀本部と海軍から入手した資料によると、中国海軍の警備艦数隻が東経123~124度の間の海域に毎日のように出没している。空中も同じだ。中国軍海上哨戒機が東経123~124度の上空でほぼ毎日数回飛行する。中国が西海を内海化しようとする『西海工程』に露骨に乗り出している」(2021/01/27 中央日報)。

 

 さらに、「フィリピン政府は20日南シナ海に面するパラワン島沖の排他的経済水域EEZ)内に、民兵が乗船するとみられる中国漁船約220隻が集結していると発表した。海域で領有権問題を抱える中国による圧力とみられる。

 発表によると、比当局は7日、船団が島の西方約175カイリ(約324キロ・メートル)のスプラトリー(南沙)諸島の海域で隊列を組んで停泊しているのを確認した。漁業活動は行っていないが、夜間には電灯をつけているという。比政府は、『状況を引き続き監視する』としている」(2021/03/22 読売新聞・ハノイ電)。