断章216

 「皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も『マネープランクリニック』の10月23日分 ―― 今日の相談者は、さばしろさん(仮名)。男性/契約社員/35歳。住まいは、持ち家一戸建てで、同居家族は、父ひとり(無職/70代前半)である」(あるじゃんAll About マネーから)。

 

 「いつも記事を参考にさせていただき、大変感謝しております。相談内容ですが、親が70代の高齢で、今は自力で動けていますが、今後は介護の問題も出てくることにどう対処していけばいいのか悩んでおります。

 現在は契約社員で、給料が少ない中での住宅ローン返済もあり、このまま同じ仕事を続けるか転職を考えるか、自身の老後への備えや、もし結婚して子どもを育てるとなった場合に生活が成り立つのか、なども不安に思っています。ぜひお力をいただければと思いますので、よろしくお願いいたします」という相談である。

 さばしろさん(仮名)の家計データは、給与手取り16万円、年間ボーナス手取り10万円(100万円ではない)。貯金60万円である。

 

 今回も、胸が詰まる相談である。「今回も」というのは、「・夫婦共に40代。退職金なしで老後や親の介護は大丈夫? ・33歳月収12万円、月200時間労働で疲れ切っています。・34歳貯金30万円。働けなくなったときに困窮しそうです」といった相談が、枚挙にいとまがないからである。

  ―― 世間の反対側には、日本学術会議への任命拒否は「学問の自由を破壊する憲法違反」「政治権力に左右されない職務の大きな妨げ」などと訴え、早期撤回を叫ぶ「左翼」学者たちがいる。幸いなことに、まだ日本には、「日本学術会議は虚飾の肩書と小遣い銭が欲しい古株教授以外には無縁かつ無用の長物」と断言する、まともな学者も存在する。

 

 日本共産党系「左翼」学者たちは、『マネープランクリニック』のような相談事には、からっきし役に立たない ―― まるで連続射殺事件の永山則夫のように、「国家権力が悪い」「資本主義が悪い」と呪詛するだけである。

 もし、「左翼」学者で、「労働者なら、ただちに日本共産党に加入して活動すべきだ」という人がいれば、(率直なだけ)よりましな部類である。但し、その党は共産主義マルクス主義)教という“カルト”であり、隠然たる学歴主義が存在し、党員の“やりがい搾取”をする“ブラック”な(表面は赤い)政党なのであるが。

 

 『マネープランクリニック』回答者でFPの深野康彦は適切な回答を重ねていると、わたしは思う。

 飢餓や殺戮があたりまえだった太古の時代や奴隷制封建制の時代ではない。自由に職業を選択できるし、身分や因習に縛られることなく自由に経済活動に参加でき、また誰もが自己利益を追求する権利があるのだから、成功をめざして努力すべき時代である。

 もちろん、この世には勤倹力行(しっかりと働いて、質素に暮らしながら力の限り努力)しても如何ともしがたい時や事がある。

 だから、わたしは何度でも言おう。国民一丸となって「富国強兵」「殖産興業」を復権し、以って無料の職業(転換)訓練や暮らしのセーフティーネットを大々的に拡充せよ!