断章48

 「嘘つきは泥棒の始まり」ですよ。

 

 「中国軍は、6月29日または30日に南シナ海で対艦弾道ミサイルの発射試験を実施した。米国防総省アジア担当報道官は7月2日、中国軍のミサイルは『スプラトリー諸島に近い人工建造物から発射された』と発表した。報道官は、中国習近平主席が2015年9月に訪米し、首脳会談後に発表した声明にある『南シナ海に造った人工島を軍事拠点化しない』との声明に矛盾しているとして、『憂慮すべき事態だ』と懸念を表明した」(「大紀元」)。

 これが、中国のいつもの手口である。

 

 「その典型的な例が、中国が歩んできた核武装への道筋です。1964年、中国は初めて原子爆弾の実験に成功し、核保有国の仲間入りを果たしました。・・・中国は自らが核武装するまで、アメリカが核兵器を持つことを批判し、世界の反核運動を主導するかのような立場をとってきました。このころに西側社会で反核運動に身を投じていた人々は、この中国の存在を力強く感じていたのです。

 ところが中国は、反核を叫ぶその裏側で秘かに原爆技術の開発を進めていました。そして自国が核実験に成功するや、『反核』の『は』の字も口にしなくなるのです。西側社会にあって反核運動を推進してきた人々は、はしごを外され言葉を失いました。2013年2月に3回目の核実験を行った北朝鮮が、その行為を批判した中国に対して、『自分たちが核実験を行った60年代にはどんな主張をしていたのか』と皮肉交じりに反論した」(『中国の破壊力と日本人の覚悟』)のである。

 つけくわえると、中国の最初の頃の核実験は“大気圏内”核実験であり、ウイグル自治区ウイグル族の居住地には“黒い雨”が降り、他の地域の漢人と比べて、悪性腫瘍の発生率が35%も高くなったと報告されている。

 「中国の戦略的なウソは、・・・宇宙空間の軍事利用についてもまったく同じ経過をたどっています。自国がその技術を手に入れるまでは、宇宙の軍事利用に邁進するアメリカを『宇宙の平和利用』の名の下に批判し続けていたのですが、自らがその技術を手に入れた瞬間から、手のひらを返して口をつぐむという二面性を露骨に見せたのです」(同)。

 

 2007年頃から、南シナ海の大半は中国のものだと言いだした。

 やはり、「嘘つきは泥棒の始まり」だったのである。