断章7

 「ちょっと~、くどいよ」と、カミさんに叱られそうだが・・・わたしは、貧乏である。

 貧乏でも(貧乏だから?)、戸締りと火の用心にはうるさいのである。

 とろろ麦飯を食べると、「貧乏人は麦を食え」と言った池田勇人を思い出すのである。

 貧乏なのである。

 但し、古谷経衡君が、「西成のドヤ街に住み『スーパー玉出』(関西で展開する激安スーパー)で毎日のお惣菜を買うような層」(『左翼も右翼もウソばかり』)と、大きくひとくくりにしているのをみると、そこはちょっと違うかな~と思うのである。

 しかし、古谷君から、「いやいや、うっすらと色はついていてもお茶の味の全くしない、激安スーパーのPBお茶飲料を飲んでいるなら一緒でしょう」と言われれば、「たまには『お~い お茶』も飲みますけど」と答えるしかないのであるが、これだけは言っておきたい。

 「古谷君。『都市部の低所得者』をちょっとアバウトにまとめすぎだよ」と。

 たいした違いはないように見える。しかし、スーパー玉出で毎日のお惣菜を買うとしても、よりアッパーな「選挙にも行く」層と、ドヤ街に住み「選挙になんか行きっこない」層とに分かれるのである。

 

 「西成のドヤ街に住み『スーパー玉出』(関西で展開する激安スーパー)で毎日のお惣菜を買う」人たちは、生活に追われているいないにかかわらず、投票所に行ったりしないのである。

 どんなときも、彼らは新世界でちょこっと飲んで、住之江ボートに行って儲かったら女(男)を買う(昔ならタチンボか飛田新地)。彼女らは激安スーパーで朝早くから働いて、午後には皿洗いのバイトをして終わればパチンコに行く。

 彼ら彼女たちは、貧乏のプロなのである。チコちゃんに叱られても、ぼーっと生きているのが楽なのである。

 

 もちろん非常時には、彼ら彼女たちも歴史の表舞台に上がってくる。

 心優しい「リベラル」が戦慄するような形相で・・・。